plum さんの感想・評価
2.3
物語 : 2.5
作画 : 3.0
声優 : 1.0
音楽 : 2.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
”僕”は何かをしたのか
自分のことを想ってくれる人がいる。これは、私達が生きていく上でとても大切なことだと思います。それはもちろん恋愛感情に限らず、友人や家族など周りの多くの人からです。この作品のメインテーマは、人との繋がりの大切さだと感じました。
ただ、本作を見て何かを考えさせられたり、感動することはありませんでした。周りの人の、真という少年への想いや行動に気づいたことで、”僕”には大切なモノが見えてきました。ただ、そこに”僕”の主体的な行動は存在しません。ここが一番の原因です。あえて言うのであれば、”同じ過ちを繰り返さなかった”ということかもしれません。でも、もしそうであるならば、同じ結末に陥りそうになる描写があって然るべきだったと思います。
この作品、恐らく途中でオチが予想できる人は多いと思いますが、それは大して重要なことではありません。同じ結末に陥りそうになりながらも、”僕”のちょっとした勇気によって大切なものを手に入れ、それを乗り越えることができた。どんな小さくてもいい。そんな”僕”の主体性が描かれていなかったことが残念でした。あとは、不倫、いじめ、援助交際と、取ってつけたような不幸も気に入りませんでした。
声優に関しては、俳優を使っていることによりヒドイことになっています。あまりの苦痛に、はじめの5分で見るのを止めようかと思ったくらい・・・。制作する側も大変ですね。
あと個人的に気になったことに、”実写のような背景”があります。実写から手書きで起こしているそうですが、もうほとんど実写です。ここまで写実的にするのであれば、アニメにする意味があるのか疑問です。新海誠の背景のように、美しいとかノスタルジーを感じるようなことはなく、ただ違和感を感じるだけでした。