入杵(イリキ) さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
女子中学生が繰り広げるSF異能ストーリー
本作は鎌池和馬「とある魔術の禁書目録」の外伝である鎌池和馬の「とある科学の超電磁砲」(月刊コミック電撃大王)を原作に制作されたSF異能バトル作品である。
インデックスの主要人物である御坂美琴を主人公に科学サイドの出来事を主に描く。
世界観はインデックスと等しく、インデックスの登場人物も度々登場するが、インデックスを観ていなくても全く視聴には影響しない。
あらすじ
{netabare}
一八〇万人を超える学生が集い、超能力開発を受ける「学園都市」。その日常の裏側には、学生たちによる治安維持組織「風紀委員(ジャッジメント)」の活躍があった。しかし、彼らの目が届かぬ暗がりもある。裏路地で平和を乱す不良学生たち。その彼らを一筋の閃光が襲う。そこには、学園都市最強の電撃姫、『超電磁砲(レールガン)』御坂美琴の姿があった……。
そんな日常の中のある日。美琴は、「風紀委員」である黒子の同僚で、彼女のファンだという少女――初春飾利と佐天涙子と会うことに。意気投合して放課後を楽しむ4人だったが、初春が目の前の銀行に異変を感じとり……。
{/netabare}
感想
本作は2クールの内上半期は原作に忠実に、下半期はアニメオリジナルの展開だった。
インデックスは小難しい術式があったり、上条さんの行動が理解し難く困惑したりして序盤の展開が飲み込めなかったが、本作は視聴始めもスムーズに毎話テンポよく見ることが出来た。
第一に本作は登場人物が魅力的で、美琴と黒子のやり取りや、初春・左天さんとの絡みや友情などを上手く表現出来ていた。何より主人公の美琴が格好良くて、バトルシーンなども見ごたえがあって良かった(インデックスと比べるとどうしても敵が見劣りするが)。
スピンオフとして上手にストーリーを運んでいて、科学サイドに特化したことにより、インデックスでは描けない無能力者のクローズアップや科学の弊害なども表現出来ていた。
バトルと日常の配分も申し分なく、またシリアスな展開も重くならずに、全体的に爽快感に浸れる演出が多いのも良かった。
残念なのは、後半に黒子の絡みがワンパターンで鬱陶しく感ぜられるようになったことと、何故か初春が黒子の話を頭ごなしに否定し「馬の耳に念仏」状態、思考停止に陥ってしまったことである。
木山先生のハートフルストーリーはとても面白かった。
終盤はオリジナルなのも祟って少々冗長で蛇足感が拭えない。
最後に、本作の楽曲は他作と比較して大変好ましく、特にOPは秀逸である。
総評
インデックスから一般向けの要素だけ抽出して、学生に受ける様に上手く展開している。脚本もテンポが良く、複雑な展開も無く、1期段階では勧善懲悪的な爽快な運びが多くて、観ていてとても楽しかった。