入杵(イリキ) さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
程よい鬱加減が素晴らしい!
本作は鬼頭莫宏の「ぼくらの」(月刊IKKI)を原作に制作された。
近未来の日本を舞台に、謎の超技術で作られた巨大ロボットを操り、地球を守る為に戦う少年少女たちが主人公である。物語は1話ごとに1人の子供に焦点を当てた連作形式で構成される。極限状況に直面する子供たちは、自らの人生、家族や社会とのつながり、生命の意味などを問い直してゆく。
程よいシリアスな鬱加減が大変好感だった。
2010年、第14回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。
あらすじ
{netabare}
夏休み――自然学校にやってきた15人の少年少女。
そこで、小学生の宇白可奈を除く14人の中学1年生は、ココペリと名乗る謎の人物と突然、契約を結ぶ。
その契約は
「戦いに負けたり、勝負がつかず48時間経過すると、地球は破壊され、全人類のみならず地上の全生物が死滅する。」
「操縦者は、事前に契約した者の中から選ばれた1名がなる。」
「操縦は一人で行い、勝手に変更する事は許されない。」
「ロボットは人の生命力で動く。一戦闘する代わりに、操縦者の命を奪う。」
世界の滅亡か ぼくらの死か。
{/netabare}
感想
鬱アニメだからといって倦厭しては勿体無い程素晴らしい作品だった。只の鬱アニメではなく、完成された世界観や主人公達の心理描写が、残酷ながらも心に響くストーリーで、
絶望的な状況下で繰り広げられる中学生のヒューマンドラマとしてのインパクトが強い作品だった。
残念ながら登場人物への感情移入が難しい作品で、「傍観者」としての視聴に留まった。
所謂「ワケアリ」な子供が集まり、精神状態に関しては非常に可笑しく、疑問を感じた。何と言うか悟った感じが・・・
本作は、視聴後に微弱な精神的苦痛を感じる作品だが、大変面白く、原作を購入してしまった。
後半は制作時は原作が未完だった為、アニメオリジナルであるが、私は原作の方が好み。
OPの「アンインストール」は、本作を良く表現しており、何度聴いても良い曲だ。
総評
SF的世界観が素晴らしく、鬱展開が魅力的である。興味のある方は是非観てほしい。