タマランチ会長 さんの感想・評価
4.4
物語 : 2.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
残念なところはたくさんあるけど・・・とまりさん萌えで許す!
やすはさんは、男性の識別ができないという奇病にかかっています。我々も、カローラもレガシーも全部自動車に見えるように、やすはさんは男が全部男としか認識できません。その中で、唯一個人として認識できたのがはずむさんなわけですから、彼女にとって彼は特別な存在なわけです。そんなわけで、彼女はまだ高校生なのですから多少の矛盾やわがままは目をつぶってあげましょう。(笑)
また、とまりさんははずむさんの幼馴染キャラです。やすはの登場がはずむさんへの気持ちに気づかせてくれたといっていいでしょう。しかし、気づいた時には、はずむさんは女になっているのですから、これまた切ない話です。まあ、あのまま死んでしまったということにならなかっただけでも、良しとすべきでしょうか。
さて、自分がこの作品の気に入っているところは、演出です。はずむさんが女になったということで、やすはさんととまりさんの間でバトルが起こるのですが、はずむは女性であるが、もともとは男性なわけですから、単なる百合というわけでもない、大変奇妙は関係になっています。
やすはさんは結構自分中心で、はずむはだれにも譲れません。とまりさんはいつもはずむさんを気遣っていて、とてもいい娘です。そんなとまりさんが、意を決してはずむさんに口づけるシーンは、彼女のそれまでの切なさが一気にあふれ出てとてもよいです。また、最終話で、はずむはやすはのそばにいることを決め、とまりもそれを受け入れた上で、一緒に1日中遊び倒し、別れ際に二人で号泣するシーンも大変感傷的です。そういった心象の描写や演出には、秀逸なものがあったと思います。
そんな感動的な最終話にしておきながら、13話のぶち壊しはないだろうという意見は、まったくもって同意します。とまりさんは男らしいキャラクターなんですから、はずむのことはきっぱりあきらめ、切なさを胸にしまって生きている方が断然彼女らしいのです。私の中では、13話はなかったことになっています。(笑)
書いていて気が付いたのですが、私はとまりさん目線でこのアニメを見ていますね。つまり、とまり萌えですべてを許すということでしょう。
ちょっと気になるのが、とまりさんやはずむのお母さんが、無駄に暴力的なところ。ギャグのつもりでしょうが、せっかく良いシーンを作り上げることのできるスタッフだったのですから、世界観を損なうような過剰なギャグはいらないのです。
というわけで、素晴らしい演出と、未消化な演出が混在した、発展途上の「快作」ということにしておきます。
PS:音楽好き。OPは絶品。作中のBGMもいいっすよ。