maruo さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
涙が出ない自分は変? B
原作未プレイ
本レビューはあくまで原作未プレーの者が書いたものとしてお読みくだされば幸いです。
あにこれで全体的に評価が高く、なおかつ「泣ける」「涙腺崩壊」として上位に位置する本作を見るにあたり、ネタバレがないよう一切のレビューを見ないように我慢してきました。
さあ、どのような感動が訪れるのか、と待ち構えるような姿勢で視聴しつづけましたが~思えば、これが良くなかったのかもしれません~気が付けば後は最終話を残すのみというところまで涙は出ませんでした。
あれ、最終話で大どんでん返しがあるのかな?と思っていると、確かにありました!・・・別の意味でですが・・・。
で、結局、最後まで涙は出てきませんでした。
決して、アニメで泣いたことがないという訳ではありません。
幼い頃は、ハクション大魔王の最終回、ドラえもんのび太の恐竜、大人になってからもドラえもんの映画で、最近では、あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。で泣いています。
何だか、ネガティブなことばかり書き連ねると思われるかもしれませんが、決して、全然感動しなかった訳でもありません。
渚の一人の卒業式、汐との旅行で渚の話をする朋也、汐を連れて父親に会いに行った朋也、などのシーンは結構じーんとくるものがありました。
スキップする汐がエンディングの映像につながったときは、「おー、これは汐だったのか!」と結構感激しましたしね。
仕事を始め毎日くたくたになって働いたり、創立者祭へ行く約束を果たすことができなかったりする朋也。
一度レールに乗れなかった者がニートにならないためには、少しくらい厳しいことでも我慢しなければいけない現実があります。
中高生の浮世離れした学園生活の話などではなく、大人へ脱皮しようとしている人間の生活臭のする話をアニメにすることに、むしろ好感を持ったくらいです。
しかし、渚が死んだ後からは、好感よりはむしろ違和感の方が大きくなってきました。
育児放棄していた父親に対して違和感なく懐く汐。
古河夫妻がそのような育て方をしたのだといえばそれまでですが、汐を古河夫妻から受け入れるに際して、朋也に必要とされるであろう努力、苦労というものが全く描かれていないのは、釈然としませんでした。
そして、汐までも死なせる(かもしれない)ストーリー展開には、「やめてくれぇ!」という気持ちになりました。
必ずしもハッピーエンド好きという訳ではないのですが、あのまま汐を死なせていたら、私はこの作品を嫌いになったと思います。
渚の幼い頃、死の危機が訪れたときに奇跡が起きたように、きっと汐にも奇跡が起こるのだろう。だって汐は渚の娘だから。
最終話で、別世界での少女とロボットのやりとりを見たときには、「ああ、これで現実世界と繋がるのか。汐は助かるぞ!」と安心しましたが・・・。
奇跡があそこまで大きいとは全く予想外でした。
作品を見終わってからレビューをいろいろ見ると、この点の意見が割れているようですね。
私はそのどちらかに与しません。というかできません。
自分の中でもどう捉えたら良いのか未だ困惑している状態だからです。
気持ち的には、「汐が助かる ≧ 本作のエンド >>>(汐が死ぬ)」といったところでしょうか。
どうにも結論が出せない状態なので物語は評価しません(3点)。
それでは、本作のエンドのように時間が戻ったことによって、汐と朋也の物語が全てリセットされるのでしょうか。
確かに、正確にいえばそういうことになるでしょうが、その辺りは深く考えないで、それまでに感動したのであればそれは素直に受け止めて、自分の感情まではリセットしなくて良いと思います。
これで、KEY3部作を全部見ましたが、私としては、Kanon > CLANNAD > AIRの順番になりました。