「夏雪ランデブー(TVアニメ動画)」

総合得点
70.1
感想・評価
866
棚に入れた
3999
ランキング
1647
★★★★☆ 3.6 (866)
物語
3.6
作画
3.6
声優
3.7
音楽
3.6
キャラ
3.5

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ネタバレ

plum さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

葉月の想いは現実的だろうか

アニメではなかなかお目にかかれない、大人の恋愛感が描かれているのが印象的でした。

繊細な心情描写と、大人ならではの台詞にはすごく目新しさを感じました。また、声優さんの演技も素晴らしく、作画も丁寧でかなり好印象でした。でも、最終回まで見た上で振り返ると、この作品への印象が決定付けられたのは、10話のシーンでした。

店長は葉月の行動に疑問を抱き、とうとう葉月の体に島尾の心が宿っていることに気付く。溢れる想いが押えられず、嬉し涙を流し、二人の思い出話に花を咲かせ、夫婦の幸せなひと時を過ごす。甘える店長。逢えるはずのない人に逢えれば、それは仕方ないかもしれない。でも、それは現実的にはありえな状況。そして店長が発した言葉。

「じゃあ 私が好きになった葉月君は… どこにいるの?」

店長のこの行動と台詞で、一気に興ざめしました。体は葉月、心は死んだはずの島尾。この非現実的な状況に、なぜ疑問を感じず甘えていたのか。葉月の身を心配するより先に、島尾に甘えていた心情が理解できませんでした。また島尾は、葉月に対して悪びれることなく、自らが納得するための行動をしていて、大きな子供にしか見えませんでした。

店長のことだけでなく、島尾のことも考えていた葉月だけが輝いていた。でも、思うんだよね。心情描写が非現実的だったのは、もしかしたら葉月なのかもしれないって。

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■10話まで視聴
正直、この10話はあまり印象がよくなかった。

最後には去るつもりなのかもしれないが、それでも六花への未練のために一人の人間を生死の淵に追いやっている旦那。辛い過去を描くことで、未練が残るのも仕方ないと思わせたいのかもしれない。けれど、未練を断ち切るということも単なる我侭。その為に赤の他人である葉月を傷つけることは、許されることではないと思うんだけどな。

店長も、何の疑問も口に出さず、散々甘えたあとに葉月を気にかける台詞をいわれても、ちょっと納得できなかった。それじゃ、ただのいいとこ取りだろう。最初に異変に気付いた時点で、葉月の心配をしてくれれば、そうは思わなかったんだけどな。

葉月のモノローグが、このアニメ唯一の救いだと思う。


■7話まで視聴
TVアニメ全体の枠で捉えると、視聴者の多くは中高生。主人公に高校生が多いのは、視聴者と同年代であることにより、共感を得やすいためと言われています。それはごもっともなのですが、たまには大人が主人公の作品も見てみたいものです。

という訳で夏雪ランデブー。主人公の葉月が22歳、六花ちゃんが30歳。ヒロインが30歳とか、知ってる限りで近そうなのはラーゼフォンの遥さんくらいです(実は大好き)。大人の恋がどのように描かれるのか、毎週楽しみにしています。

自分としては、どうしても男目線で見てしまう訳ですが、葉月と旦那、どちらか一方に肩入れすることができなくて困るんですよね・・・。葉月に肩入れすれば「旦那未練ありすぎで見苦しなぁ、さっさと成仏してくれ。」と思う。旦那なら、「彼女への愛情と、自分を忘れて新たな道を踏み出して欲しい。どっちの気持ちもあって、切ないな・・・」と思うし。まぁ、現実的に見れば旦那には先がない訳ですよね。そんな中で、この先3人の感情の揺れ動きがどう描かれるのか、楽しみです。ただ、葉月が貧乏すぎるのが気にかかるのだが・・・。

それにしても、少女マンガ原作のアニメっていい作品が多いと思う。もちろん原作もいいんだと思うけれど、アニメとしても結構いいクオリティだと思うんですよね。本作にしても、「坂道のアポロン」や「ちはやふる」にしても。ただやはり、BDの購買層のターゲットになるのはラノベ原作のアニメであって、こういういい作品もなかなか売れないのが現状のようで残念です。

投稿 : 2012/09/18
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サンキュー:

22

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