テモテ さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
それでも人類は進む。
「何のために宇宙に行くのか、宇宙開発に意味はあるのか」
宇宙計画と社会が抱える問題の矛盾や、人類初の宇宙飛行士と息巻いても、リイクニ一人満足に守れない自分の無力さ。
そういう社会や自身が抱える「鬱屈した閉塞感」を打破すべくとなんとしても宇宙に上がってやろうとするシロツグの姿にすごい共感を覚えました。
マクロで見れば、打ち上げが成功したからといって、その閉塞感が打破できるかというとそうじゃないでしょう。
劇中では語られませんが、その後の社会がドラスティックに変わるわけではないし、本当に打ち上げに意味があったのかも結局わからないままです。
ですが、良く考えてみると人類の歴史って往々にしてそんな風にして紡がれていくものなんですよね。
「社会の矛盾や問題を内包したまま、それでも手探りで前に進んでいく。それこそが人類の有り様なんだよ」
というのが本作の隠されたテーマであり、それを端的に示しているのがEDなんじゃないかと思います。