テモテ さんの感想・評価
4.4
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
あえて、東日本大震災のことには触れずに
私がアニメにはまるきっかけとなった作品です。
最初は「東京をマグニチュード8.0の大地震が襲ったら」を家路を
目指す姉弟を通じて描いたifものだと思って観始めましたが…。
まず、本作最大の特長はそのリアリティ。食料・交通・医療から
トイレ事情にいたるまで首都圏での震災発生後の状況が丁寧かつ
リアルに描写(冒頭のロボット展からの脱出にアニメ的な演出があるのはご愛嬌)
されています。
私はたとえフィクションの世界であっても必要なリアリティは絶対に
備えていて欲しいタイプなので非常に好感が持てました。
また、当たり前のことですが、地震でたくさんの命が失われるということ
から目をそらさなかったのもよかったと思います。
姉弟が善意の大人の手を駆りながら家を目指すというストーリー上、
「人の死」の描写を避ける(もしくは弱める)ことはできたと思います。
ですが、そこから逃げず、確り描ききったからこそ視聴者に伝わるもの
(受け取り方は様々でしょうが)が少なからずあったのではないかと思います。
いろいろと物議をかもしたラストについてですが、私はだれがなんと言おうと肯定派。
終盤の複線から「もしかして」という疑念が生まれ、それがいつの間にか
「考え過ぎであってくれ」という願望に変わり、最終話では感動の滂沱
として流れ落ちること間違いなし。
未見の方はぜひご覧になってみてください。