plum さんの感想・評価
4.3
物語 : 3.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
原作がSF小説というだけでワクワクしちゃう
原作は冲方 丁(うぶかた とう)によるSF小説。アニメは劇場3部作として制作され、2012年9月に3作目が公開予定。1作目にあたる本作では、主人公である少女バロットが、相棒となるウフコックと出会い、心を通わせる過程を中心に描かれています。
視聴早々、ピアノの旋律とともに描かれる映像クオリティの高さに驚きました。近未来の都市、マルドゥック・シティという、居住地により明確に階級分けがなされた街で、主人公の少女バロットは、娼婦として最底辺で生きてきました。生きながらにして死んでいるように。狂った家族関係、異常なフェティシスト集団。映像の美しさとは裏腹に、作品の背景は非常にダークです。作品背景はとことんダークに描くことで、バロットの心の描写が際立つのかもしれません。
私としては、なかなか好きな作品です。やはり、バロットとウフコックのやり取りは暖かさを感じるし、派手なガンアクションも楽しむことができました。
この作品のキャラクター名は、卵がモチーフになっているのですが、それぞれのキャラクターの暗喩になっているのが面白いですね。
バロット 孵化直前の卵を加熱した料理(無理・・・)
ウフコック 煮え切らない卵
イースター イースター・エッグ
ボイルド 固ゆで卵
ただ、結構グロい描写があるので注意です。MEZZO FORTE InternationalがR15で、本作がPG12なのは何故だろう。マルドゥックの方が、エロ・グロとも圧倒的に多い気がするんだけどね。グロは映像的には大丈夫なレベルなんだけれど、フェティシスト集団の設定とかホントいっちゃってるんだよねぇ。
3部作の1作目ですので、ストーリーの評価が難しいところですが、最後がとても楽しみな作品です。それにしても、ハヤカワ文庫のアニメ化って珍しいですよね。あ、ダーティーペアもそうだったか。