bk958 さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
音楽がつなぐ友情と青春
1966年、長崎県佐世保。高校一年生の西見薫は父親の仕事の都合で転校を繰り返し、佐世保東高校に転入する。そこで川渕千太郎、迎律子と出会い、彼らを通してジャズと出会い、彼の高校生活は大きく変わることになる・・・。カウボーイビバップ以来の監督・渡辺信一郎×音楽・菅野よう子の豪華タッグで恋に音楽に奔走する学生たちの青春を描いた爽快ジャズストーリー。
キャラデザはレトロな感じで、少し癖があり、キャラ設定もBL臭さと綺麗すぎる男性陣が少女漫画っぽい。千太郎にいたっては学生帽を斜めにかぶり葉っぱを加えてるという昭和なイメージそのままで笑ってしまった。ホントにあんなヤツいたのかなあとww
ストーリーはジャズ×恋愛×友情の青春群像劇。それぞれの片思いがすれ違う甘酸っぱさと、音楽にかける青春の爽やかさでどこか懐かしく、見ていて気持ちのいい内容でした。やはり見所は演奏シーンで、ジャズの楽しさが伝わってきた。音楽出来るって楽しんだろうなと心から思いました。実際に薫と千太郎と同じくらいの年齢のピアニストとドラマ―でセッションしたらしいですが、そのライブ感、フレッシュ感、ガチンコ感はにじみ出ていたと思います。ただ、二度目の文化祭が無かったのは残念でした。原作があるからしょうがないですが・・。律っちゃんの歌声披露は見たかったなあ(T_T)
ワンクールでまとめたので内容は濃かったですが、後半はかなり駆け足でもったいなかったかなと。千太郎の出自の部分や養父との関係はもっと掘り下げて欲しかったです。終盤の千太郎の心情が分かりづらく、失踪した時はかなり驚いた。
ラストは、八年後に飛ぶのは急だったし、中々のダイジェスト感だったが、薫と千が再会してセッション⇒神父さんに怒られて二人で逃げ出すという序盤を思い出させる展開で、何も変わらない二人の友情が確認できて感慨深かったです。アポロンらしいすがすがしいラストでした。
賞を受賞したり、このマンガがすごいに選ばれていたり、評判が高い原作を音楽に造詣が深い渡辺監督が手掛けたということで、期待通りの作品でした。話の分かりやすさからも、非常に幅広い層の方にオススメできる内容だと思います。