maruo さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
きみらの、ではなく、ぼくらの B+
原作未読
予備知識無しで見たので結構衝撃だった。
契約を交わした子供達が巨大ロボットを操縦し、敵を倒していく。
買っても負けても、操縦者の命が失われる。
もし戦わなければ、地球そのものが失われる。
しかも、敵も同様の境遇に置かれ、戦っているのだ。
子供達には逃れる術はない。
極限状態に追い込まれた子供が、よく発狂もせずにいられるものだと思った。
一人ひとりが何らかの戦う意義を見出していく。
その過程で、彼らの背景が事細かに描き出される。
その誰もが、何らかの問題を抱えた家庭環境にあった。
その描き出し方がとてつもなく暗く重い。
ロボットアニメ特有の爽快感など一欠けらもない。
絶望の淵に立たされた子供達は、わずかばかりの希望を見出し、そして死が待つ戦いの場へ立ち向かっていく。
途中で何度も見るのをやめようかと思った。
しかし、凡庸な表現だが、引き付ける何かがこの作品にはあった。
最後は微かな明かりが灯り、主人公がいないこの物語が幕を閉じる。
最初に戦う意義も知らぬままに死んでいった子と、戦う意義を知ってなおかつ戦うことを選んだ子達と、どちらがより幸福なのだろうかと考えてみる。
しかし、その答えは未だに出ないままだ。
この物語はほかの誰かのものではない、ぼくらのものなのだ。