とろろ418 さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
小は大を兼ねず
視聴中の文→{netabare}
--------------------------------------------------------------
ストーリーだけを見るとつまらないです。
割とどうでもいいことに突っ込んで、面白可笑しく掘り下げているといった感じですので、当然と言えば当然。
結末も今のところ予想の範疇と言ったところで、特に驚きもないです。悪い意味で驚いたものはありましたが……。
作品として見ると面白いです。本質的にはつまらないストーリーをここまで面白く描くというのは凄いと思います。
キャラに推進力があるので、誰でも見られると思いますが、少しミステリの知識があるとまた違った観方が出来るのも面白いですね。
例えば、「愚者のエンドロール」での”九命題”。
”十戒”と”二十則”は有名ですよね。この二つだけなら、特に問題はないのですが、ここにわざわざ”九命題”を加えるというのは違和感バリバリです。
例えるなら、”テニス”と”卓球”の列に”サッカー”が並んでいると言ったところでしょうか?
理由はおそらく、ミステリにおける『フェアプレイ』を強調したかったというところだと思います。(違うかも……?)
こういった様子で、馴染みのない人にはわからない変な例えを入れてきたりしています。
あまり褒められたものではないですが、馴染みのある方には面白いというのも事実ですし、わからなくても楽しめるので今後大きな問題になる心配はなさそうです。
私は”氷菓”のところにまだ大きな謎が潜んでいると睨んでいるのですが、果たして……。
--------------------------------------------------------------
『16話 感想』
”クドリャフカの順番”の話が佳境に入ったところ。
次かその次の回で解決になりそうです。
ここからは私の拙い推理。
まず当たらないとは思いますが、万が一ということもあるため、ネタバレ扱いにします。
{netabare}
まず自信あるものから。
”夕べには躯に”の作者”安心院鐸玻(あじむたくは)”は次の三名の頭文字のアナグラムである。
①安城 春菜(あんじょう ハるな)→あ、は
②陸山 宗芳(くがやま むねよし)→く、む
③田名辺 治朗(たなべ じろう)→た、じ
次に、十文字事件の”く”は”クドリャフカの順番”のことを示している。
場所の方は不明。場所ではなく人物で”陸山”という線もあるが、
作者が複数であることから強引さは否めないため、おそらく違う。
そして、それが盗まれていないことから、盗めなかった。
つまり、”クドリャフカの順番”はまだ完成していない。もしくは全く書かれていない。その理由は不明。
”クドリャフカ”の意味も良くわからない。”詳細がわからない”という暗示なのかもしれない。
ここまでは割と的を射てるような気がします。
ここから更に踏み込んでみます。推理というより妄言に近いかと。
十文字事件の目的は、”クドリャフカの順番”を完成させること。
つまり”クドリャフカの順番”は実際に起こした事件を作品にしたもの。
”ABC事件”の真の目的が最後のCであったことから、
十文字事件の場合は”こ”、つまり”古典部”である。
そして、盗まれるものは”コミック(漫画)”で”夕べには躯に”だと思われる。
ここで怪しくなるのが、奉太郎の姉。
彼女が”夕べには躯に”を奉太郎のもとに届けたのは偶然なのか?
そして、”古典部”は奉太郎が入らなければ廃部になるはずでした。
では、奉太郎が”古典部”に入ったのは何故か?
これも姉の影響です。
入須と交流があることからも、顔が広かったと思われます。
もっと深い部分で姉が糸を引いているのかもしれませんね。
姉が”そして誰もいなくなった”の犯人を演じていたら面白いですね。
死亡=卒業、という意味で。
そして、最後に歴史を綴った”氷菓”だけが残され、そのあとがきには姉の犯行自白文が……なんて。
あの姉なら、奉太郎に高校生活を楽しませるエンターテインメントだったでも、説明付くでしょうし。
我ながらひどいですね。長文失敬しました。
{/netabare}
(2012.8.7 追記)
--------------------------------------------------------------
『17話 感想』
私の推理は、一部正解ってところでしょうか。
結果としては少々納得してません。
まず動機ですが、ただ陸山にクドリャフカの順番を描かせたかっただけって、
随分と周りくどいやり方ですし、犯行手口も明かされたのは一部だけ。
姉の件もただの偶然ってことで片付けるには強引かと……。
最大のモヤモヤは、摩耶花の「名作は名作として生まれてくる」という台詞。
私は、作品は書き終わった時点で完成とは考えていないので、この意見には納得できませんでした。
私は”傑作”が多くの人に知られ語られることで、”名作”になるのだと考えます。
”時間に淘汰”と言う方の意見は、現在を見れば明らかだと思います。
それらは”有名作”と呼ぶべきでしょうね。
次回は『連邦は晴れているか』。小休止でしょうね。
(2012.8.16 追記)
--------------------------------------------------------------
『19話 感想』
面白い回でした。今回は大きく二つの見方ができますね。
一つは落とし噺として、もう一つはラブコメとして、です。
後者は描写の細かさが際立ちました。あざとかったですけどね。
前者は、{netabare}自分の能力を否定するために推論ごっこを始めるが、思いの外推論が当たってしまい、結果自身で能力を証明してしまった。{/netabare}というもの。
推論自体は、こじつけに等しいもので、破綻気味なのが残念でしたけど……。
細かく記述すると長くなるので端的に。
{netabare}
①偽札とわかって使ってみたが、罪悪感を抱く。
②直接会うのが恐くて謝罪文を送り、かといって警察に自首する勇気もなくて、待ちを決め込む。
③捕まる可能性が極めて高いのに、教頭の呼びかけに背中を押されて、勇気を振り絞り素直に出頭する。
仮に筋を通した推論を立てるならこうなると思いますが、これで納得する人は少数のはずです。
そもそも論理の矛盾を感情で埋める形になってるので、推論としては不十分かと。
私が推論を立てるなら、
ノート(仮)を買えなくて困っている小学生に、
ノートを買ってあげた高校生がいて、親御さんが、
お店の人から高校(制服から判明)を教えてもらい、
お礼をしに子供と一緒に学校を訪れた。
教頭がそれを窺うが、既に放課後だったので慌てて校内放送で呼びかけた。
31日と言ったのは、後日でも対応しやすいようメモした時に、
昨日ではなく31日と書いていたのをそのまま読んだため。
という風になりそうです。まぁこれも大概ですけどね。偽札の件が無に還りますし。
{/netabare}
最後に一つだけ。えるの言葉を借りるなら、「私、気になります」
どこが、というと作家や製作者など外部からの力の働きが顕著なところ。
具体的に言うなら、前者は”周りくどさ”と”価値観の主張”、後者は”あざとさ”。
意図してのことなのかはわかりませんが、作品に集中しようにも気が散ります。
飽くまで私見なので、少数派だとは思いますが……ただ気になります。
(2012.8.28 追記)
--------------------------------------------------------------
『20話 感想』
今回も落とし噺の類でしたね。
{netabare}タイトルの「あきましておめでとう」は、閉じ込められた奉太郎とえるを救出した際に、
里志が二人に言った言葉「(扉が)あきましておめでとう」のこと。{/netabare}
それにしても奉太郎って頭良いのか悪いのかわかりませんね。
何であんな回りくどいことをしたのか。
一人が隠れてやり過ごすこともできたでしょうし、
えるを知らない一般人に助けを求める(危険を伴いますが)こともできたでしょうし、
幾らでもやり様はあったと思うのですが……。
あと、壊し過ぎとか、何で気づかれないとか、巾着袋の出し方とか、
結局救出時に見られているのでは、など、いろいろ突っ込みどころも多かったです。
次回は、手作りチョコレート事件。
(2012.9.4 追記)
--------------------------------------------------------------
{/netabare}
※視聴終わりましたので作品としての感想を記述します。
まず注目するべき点は、過去のアニメ作品とはタイプの違う作品だということです。
大々的なストーリーを展開するのではなく、趣向を凝らした小話を展開するというもの。
ストーリーを楽しむというより、仕掛けを楽しむのだと思います。
印象としては、落語に近いのかな?
上記の通りなので、ストーリーはあってないようなもの。
最後の締まりも悪く、観後感(造語)も皆無に等しい。
小話の方は全体的に回りくどいです。
目の前に橋があるのに、わざわざ他の橋を探して対岸に渡っていく感じ。
そこに意味はないので、合理的な人はイライラするかもしれません。
キャラは機械的で浮世離れ。
ただ与えられた役割を淡々とこなしているように見えました。
作品の趣向的には正解なのかもしれませんが、私は好きじゃないです。
もっとタイプがばらけていれば人間模様を展開しやすかったと思います。
あとは京アニの凄さが目立っていましたね。
描写の細かさが半端じゃないです。
ただ凝り過ぎて毒々しく感じる場面も少なからずありました。
狙いがハッキリしているので、合う合わないもハッキリ分かれると思います。
様々な小技が詰まってますので、それ目的で見るのも良いかも。
少し変わったアニメが見たい人におすすめ。