もちすい さんの感想・評価
3.2
物語 : 2.0
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 2.0
状態:観終わった
ごめんなさい
少女漫画的な内容を男の子主人公でラノベ風にした作品だと思いました。
一見いかにもラノベっぽいノリの記号的なパーソナリティで装飾されたキャラクターですが、そのキャラクター達が恋や友情などの他者との関わり合いにおいて、あまりアニメ作品では扱われることのない“青春模様における掘り下げた感情”という部分が描かれているのが最大の魅力だと思います。
でも私にはそこがどうしても合いませんでした。
人って表の部分も裏の部分もどちらもその人の本質だし、どちらも密接に関係していると思うのです。
この作品における、いわゆる裏の部分というのは、かなりリアリティを重視した描かれ方をしているのに対して、表の部分は、全くリアルでは無いとは言いませんが、インパクトかつ安易なキャラの描き分け重視の誇張表現によって描かれていて(特に大河の表の部分キャラ設定)、これが私の中では水と油のように混じりあわず、表も裏もよさを殺しあっているようにしか感じられませんでした。
例えば、大河に焦点を当ててみると、表の部分だけしか描かれていなければ“ちょっと暴力的なツンデレ娘”と非リアルキャラとして許容できますが、なまじ裏の部分をリアルに描こうとしているだけに、どうしてもその尺度で表の部分を見てしまうので、そうなると大河の表の部分というのは“気違い、社会不適合者”という見方になってしまいました。
いくら家庭環境が不遇という理由があっても、木刀持って闇討ちなんて怖すぎます。。。
なので、どうしても大河が好きになれず、その大河に対して寛容な竜児もなんだか嫌なキャラに。
基本的にこの作品の登場人物は皆、そんな大河を容認、甘やかしているので、同様に、連鎖するように他のキャラもあまり好感が持てませんでした。
唯一亜美ちゃんだけは、そうでもなかったんですが、そんな亜美ちゃんを“ばかちー”と呼ぶ大河。
こんな蔑称で呼ばれて、それを受け入れてる亜美ちゃん、何も指摘しない周りの人間。
こういうのは見ていてあまりいい気分がするものではありません。
現実社会で友達付き合いというのコミュニティの中、面と向かって人にこういう呼び方をしている人がいたら、「ちょっとその呼び方はひどいんじゃない?」と、思ったりしませんか?
作中でそれをおかしなことだと描かずに、当たり前のことのように成立させてる原作者に辟易します。
きっと私の頭が固いのでしょう。
リアルと非リアルを分離させて柔軟にキャラを見れません。
こういうキャラの描き方はあまりないですし、斬新だとは思いますが、私にはどうも合いません。
それに、こういった内容の作品だと、どうしても原作者の人間性や価値観が反映されてしまうのですが、私はこの原作者に対して嫌悪感を抱いてしまったことが、私の中でこの作品の評価を決定付ける最大の要因だと思います。