myutan さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
思春期の少女の揺れる想いと小さな奇跡にほんのり感動
小学校6年生の少女としゃべる犬の
日常(家族模様と恋愛風景)をコミカルにちょっぴりシリアスに切なく描いた映画105分。
シティハンター等にも楽曲を提供していたTMNギタリスト木根氏が書いた小説が原作。
佐藤順一氏が監督を担当。
絵、セリフ、物語展開が最近のアニメとは違い地味で、実写に近い雰囲気を出している為、大人向けかもしれない。
見所は、大人になろうとする思春期の少女と奇跡
子供の頃、
他人に自分を良く見せるために見栄をはったり、
辛いけど辛くないと強がったりしたりすることで、自分を大人っぽく見せようとした経験はないだろうか?
本作では、思春期の少女が
恋愛や大人の事情に翻弄されながらも、
大人っぽくふるまおうとする少女の姿が印象的。
少女が、少女なりに相手の事を配慮しながら、
思っていることを伝えようか伝えまいか悩む姿が、
見ていて歯がゆいのだが、大変共感できた。
そんな自分の思い通りにいかない日常だが、
自分の都合の良いように物事がうまくいくのではないかと根拠のない期待を持ったり、物事がうまくいくように願ったことはないだろうか?
好きな女性から声をかけられた時に、俺もしかしていけるかも?みたいなwでも、告白するまでの過程が本当に大変。
本作では、少女の届かぬ想いや願いを、奇跡に巻き込まれる形で展開していく。
そのため、他人には明かせない想いを伝えることは、奇跡に近いぐらい難しい感じが伝わってくる。
劇中では、それでも奇跡だけに頼るのではなく、自分の意志で伝えることの大切さを伝えてくれているようで、好感がもてた。
その上、終盤、全てが奇跡ではなかったかのように思わせるような展開でうまく物語を締めており、ほんのり感動させられた。
ファンタジー描写はあるが、
会話や物語展開にあまり抑揚がなく、実写っぽい。
そのため、思春期の恋愛や大人の事情をある程度経験して初めて、物語に移入できるように見える。
したがって、大人向けな作品かも。
とうの昔に純粋な子供心を忘れてしまった私には、
あまり少女に感情移入できなかったが、
コミカルな会話にクスッと笑わせてもらい、
また、終盤はほんのり感動できた。