maruo さんの感想・評価
3.3
物語 : 2.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
ラストは泣き所なんでしょうけど B
原作未プレイ
こういういろいろと補完が求められる作品は余り好きではありません。
気に入った作品以外、何度も見返す習慣がないので、一回見ただけの感想からいうと、余り面白くもなく余り感動もしませんでした。
だから、見直すことも多分ないと思います。
初見では分からなかったという方が多い中、これは致命的ともいえますが、まあ私自身の性質上致し方ないと思います。
よく「泣いた」という感想を聞きますが、何に対して泣いたのか明確でなかったりします。
多義的な解釈が可能な作品だけに、何に泣いたのかまで聞いてみたいような気がします。
観鈴が死んだことっていう最も浅い答えが結構返ってきそうな気もしますがどのようなものでしょうか。
個人的には観鈴が死ぬラストは好きではありません。
自分の理解不足を棚に上げて偉そうに失礼しました。
====追記====
この作品は1クールであり、感情移入するための時間は少ない上に、感動する要素が自然と集まってくる作品とは言いがたいと思います。
観る側でいろいろ補完するように求められており(少なくとも私はそうとしか思えない)、それができない視聴者には薄っぺらな感動しか味わえないようにできているように思います。
単純に、観鈴が晴子と親子になるための過程や、観鈴が死ぬことに涙を流すというのなら話しは別ですが、この物語には翼人伝説が根底にあり、これ抜きにしては観鈴の死がどのような意味を持っているのかが分からず、物語の半分も理解していないことになるでしょう。
私にとって、観鈴の死はゴールというよりは、不条理や理不尽としか思えませんでした。
それは多分、1000年の翼人伝説の重みが表現し切れてないように感じたからだと思います。
1000年前の話があって、いきなり現代に飛んで、それで分かりなさいっていうのは、頭の悪い私にとってはかなり乱暴だったんですよね。
本当ならば、1000年間脈々と受け継がれた翼人の宿命の描写があってこそ、観鈴の呪いが解けること(=ゴール)が例え現世における死であったとしても、救われる話として受け入れることができるのではないかと思います。
中年以上でないと分からないでしょうけど、例えるなら、ニルスの不思議な旅の劇場版を観ても泣けないけれども、アニメ版全52話を観れば最終回泣けるというようなものです。
全52話のボリュームを、劇場版2時間で表すことなど到底できないし、52話を見ていない人が劇場版だけ見て、途中にあったこと(それには52話を観てきた時間も含みます)を補完できる訳が無い。
私にとってこの作品は補完しながら見ることが不可能な程の不完全品でした。
1クールでは短すぎだったのではないでしょうか。
従って、私にとっては単純に観たとおりのバッドエンドです。
そう思ったのは、翼人伝説なんてものは全く度外視して、あくまで現世を生きる観鈴に感情移入してしまったから、と言って良いかもしれません。
AIRの解釈はいろいろなされているようなので、私の考えは全く稚拙かもしれませんが、お読みになって気を悪くされた方は何卒ご容赦ください。
ちなみに、OVAも映画も観てみました。それでも、この作品は余り好きになれそうにありません。