anifan さんの感想・評価

4.9
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態：観終わった

アニメの面白さを教えてくれた作品～

この作品。
たぶんこの作品に合わなかったら、
今でもアニメ好きの人を軽蔑していたと思うし、
ライトノベルの価値を認めていなかったと思う。
それだけ、この作品に出会えて良かったと
心から感じています。

今更ですが、原作も読んでみました～
アニメ作品と若干違うところもありますが、
ストーリーの本質は原作どおりです。

この作品について、ほとんどの人が評価しているのも納得します。
最近よく見かけてしまう、安っぽい恋愛アニメとは大きく違います。
私は古い人間（歳をとっている）で、学園恋愛アニメ・マンガといえば、
あだち充先生など描写のうまい先生を浮かべる世代ですが、
竹宮先生のストーリー展開、心の描写は本当に作品へ引き込まれました。

ストーリーの展開は、２クールでしたが見ごたえのある内容でした。

人を思いやるウソ、その絡みが絶妙で・・・
でも、色々な障害を乗り越えて、主人公とメインヒロインが結ばれる。。
でも結ばれ方も、安っぽい恋愛作品でない（表現がしつこいですが；）
特に最後の場面は記憶に残る話だ。
大河は竜児と真剣に向き合いたく、そして自分を成長させるため
置手紙をして竜児の前から消える・・・そして大河はその母親の
新しい家族のところで暮すことを決意した。
その家族の大切さということは、竜児とやっちゃん（竜児の母親）が
教えてくれたのだろう。
大河と離れ離れになったその時の竜児のやりきれない気持ちと共に
その大河の気持ちを受け止めた姿に、この作品に引き込まれたように
グッときたりした。

また実乃梨や亜美といったキャラの存在もうまい。
やはり個人的には「実乃梨」のキャラを応援したくなる。
彼女は色々悩みながらも、友人の大河の気持ちを思いやり
ながら、自分にウソをついてまでも、
主人公と離れようとする。。
男からすれば「何でやねん！」と思うところを、
竹宮先生の女性ならではの心理描写が本当に
良かったりする。。。
「廊下で転ぶと鼻血が出て、人生で転ぶと涙が出るんだ」
というセリフは、個人的にグッと引き込まれた。

また亜美も大人として一歩引いたところで、
竜児や大河、実乃梨を見ている。
そんな彼女も天使のような仮面をかぶった、外面だけいい
女かと思いきや、スパイス的な存在感があり良かった。
とくにアニメ作品ではあまり気にならなかったが、
原作ではけっこう亜美の存在感があるように感じた。
彼女も実は・・竜児のことを気にかけていたと勝手に
私は思うわけであるが、その気持ちを出さないウマサは
登場キャラでは一番うまかったような気がする。
亜美も竜児と逢って、いい女に変わった。

この作品は、何度も何度も視てしまった。
今のところ自分の中ではトップクラスの名作だ。
またこのような名作が、今後も現れてくれたら嬉しい限りだ。