「咲-Saki- 阿知賀編 episode of side-A(TVアニメ動画)」

総合得点
80.0
感想・評価
1768
棚に入れた
8562
ランキング
480
★★★★☆ 3.8 (1768)
物語
3.7
作画
3.9
声優
3.9
音楽
3.8
キャラ
4.0

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ネタバレ

たばこ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7
物語 : 1.5 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 2.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

咲に先が無いことを証明してしまった一作

キラリとセンスの光るシャレをレビュータイトルで一発かましてしまったわけだけれど、文字通り、このままでは咲に未来は無い。

●咲がなぜつまらないのか

詳しくは、咲の第一作のレビュー

「ギャンブルを脱臭することに成功した咲の限界」
http://www.anikore.jp/review/257116

に書いたけれど
一言で言ってしまうと、

「スポ根アニメにも関わらず、運否天賦の麻雀を題材にしちゃ駄目」

ってことだ。
具体例を挙げると、スラムダンクが分かり易い。
スポ根アニメってのは、スラムダンクくらいコテコテの「努力描写」があってはじめて感動できる作品になる。

なぜ桜木が、山王戦のラストにシュートを決めることができたのか。
それは、彼が1万本ものシュート練習を成し遂げたからだ。

わかりやすい、けど、それでいてぐっとくる、納得できる理由がそこにはある。
だから、視聴者(読者)は感動できる。

しかし、咲ではこれは難しい。
なぜなら、麻雀は運否天賦だからだ。
もちろん、牌理を学んだり、経験を積んでいけばそれなりに勝率は上がるけれど、プロでも所詮勝率3割にとどけばいいほうなのだ。
つまり、10回うてば、7回は負ける。運に左右される。それが麻雀の世界だ。
しかし、通常のスポーツは、強いチームは大体10回やって十中八九勝つ。

そもそも、麻雀をテーマにスポ根をやろうとした時点で、限界があるのだ。

●阿知賀編が、より一層つまらない理由

咲の第一作目は、批判しつつも、実はそこそこ楽しめた。
スポ根ってテーマから離れて、「超能力麻雀アニメ」として見る分には、まあ、悪くない。

ところが、この阿知賀編。

主人公は、超能力を持ち合わせない、いたって普通の女子高生たちだ。
まあ、ドラとか赤牌をひきつける異能はいるにはいるけど、メインじゃない。
どちらかというと、

「才能を持ち合わせない阿知賀女子のメンバーが、努力を積み重ねることで勝利を勝ち取る」

ってのが、この阿知賀編のテーマだ。

これがゆえに、阿知賀は死ぬほどつまらない仕上がりになっている。

こういうテーマだから、いたるところで

「修行」

の描写がある。

が、一体全体、彼女らは何を修行しているんだろうか。
その具体的な描写が一切ない。
何を学んで、どうして強くなったのか、全然わからない。
全く、腑に落ちない。

仮に修行したとしてだ、そもそも麻雀って運否天賦なのに、なぜぽっと出の弱小麻雀部がいきなり全国クラスの競合を軽くあしらって、いきなり全国行きなのだww(それも、運か?ww)

結局、

「単に、スカートの短い女子高生がギャーギャーわめいて、気合を入れるアニメ」

に過ぎない。

●今後、咲の向かうべき方向

結論から言うと、ジョジョを目指すべきだ。

咲は、スラムダンクみたいな「スポ根アニメ」の方向性は目指せないし、
一方で、アカギのような「麻雀のギャンブル性に特化」した方向性にもシフトできない。

しかし、「超能力対決」ならまだ分がある。

異能の能力を持ったもの同士の、戦略的な駆け引き。

そこに特化することができればまだ復活の可能性はある。

王牌(カンの時にツモる牌)に愛される異能の力を持った「咲」
ドラに愛される異能の力を持った「クロ」
1手先の未来を読める「大阪女子のエース」(名前忘れたw)

こういう異能の力の、戦略的な駆け引きってのは、ある種ジョジョのスタンド能力の対決に近い。

この方向性にのみ、唯一、咲が輝ける先がある。


●レビュー紹介
咲のような「非現実的な馬鹿馬鹿しいアニメ」を上手に視聴者に楽しんでもらうための工夫のひとつは、多分これ。

Pまん氏 「突っ込み不在のギャグアニメ」
http://www.anikore.jp/review/233820

実は、自分も「ベン・トー」を見たときに似たようなこと書いたことがあるけど、

「徹底的に視聴者にツッコミをさせる仕組み」
http://www.anikore.jp/review/218371

このPまん氏のレビューを見て、確かに、咲もそうだな、とww

いや、例えば、クロの姉貴が持っている超能力が

「赤牌をひきつける能力」

なんだけど、これは彼女がめっちゃ寒がりで、それゆえ

「暖かいものを常に求めているから」

なわけだ。

上手く複線を回収して、なぜ彼女がその能力を持っているかの一応の説明がここでつく。

とはいえ、視聴者としてはどうしても

「んな、馬鹿なwww」

と自らツッコんで笑わざるを得ない構成になっている。
なぜなら、咲の登場人物の誰もツッコンでくれないからだw

ストーリー自体は、致命的なほど面白くないにも関わらず、まあそこそこ見れてしまうってのは多分こういう「工夫」の為せる技なんだろうな、と思う。

投稿 : 2012/07/20
閲覧 : 767
サンキュー:

10

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