癒しフランキー さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
掛け替えの無い絆の物語。~私も嶺に咲く―花のように~
【まえがき】
初の試みとなる、アニメ&原作同時平行で
視聴及び拝読させていただきました。
この作品を好きにならざるを得ない!
今まで経験したことの無い感動を覚えました!
アニメ制作の側のスタッフさんが
物凄く原作を愛しているということが
ダイレクトに感じれたからです。
このアニメを薦めてくださった方に
本当に感謝いたします。
1-2話は序章で3話から
本格的な物語がはじまります!
【どんな作品?】
{netabare}
麻雀が現実の世界とは違った『スポーツ』として、
ギャンブル性、反社会的なイメージを一掃した、
麻雀を一つの世界として受け入れられたものとして
描かれています。
咲のいる世界では、
5億人という麻雀プレーヤーがいて、
プロの雀士さんも現実世界よりも華やかな場所に
いるようです。そしてこの世界には高校麻雀の
インターハイが存在します。
そこがこの作品において
一番重要な舞台と言えましょう。
現実的な『麻雀』に対するイメージを
そのまま楽しみたい人には不向きな作品ですが、
違う側面から見れば、麻雀を知らないひとにも
お話が良く解るように物語が作られていて、
どちらかと言えば、
『麻雀』として色濃く描くよりは、
○咲と和の約束と清澄高校麻雀部の仲間達の目標
○夢に向かっていく過程での好敵手たちとの邂逅
この二つを中心に物語が展開されていきます。
麻雀を知らなかった人には
麻雀を好きになってもらえる、
『きっかけ』になる作品だと思いますし、
麻雀の素晴らしさを知っている方にも
存分に楽しんでいただける作品だと思います!
{/netabare}
【作品を見終えて・・・】
{netabare}
私自身の見終わった&読み終わった後の所感を
一言でいいますと、
『続きが読みたい!!
そして、またアニメで咲と和、
欲を言えば福路キャプテンと、に会いたい!!』
デス!!!
でも、続編は…阿知賀編で、
咲は登場しないから…続編が待ち遠しいよ…
でも!何度でも見たくなるアニメだとも思います!
原作好きなら原作の表現をさらに添える箇所も
色々と盛り込まれているため、原作好きな方も
きっと大好きなアニメ作品となることでしょう!
{/netabare}
【大まかなあらすじ】
{netabare}
読書好きな清澄高校1年の宮永咲は
幼少の頃麻雀で多額のお年玉を
巻き上げられた過去を持ち、
そうならないために勝つことを覚えたが、
勝つと姉の逆鱗に触れるため、
勝たずに負けない、±0にすることを覚えた。
咲にとっての過去の麻雀は、姉と打った麻雀で、
咲自身にとって楽しいものとは言えず、
±0にして負けないことを重視するものだった。
クラスメイトの京太郎に面子が足りないという理由で
麻雀に誘われた咲。それがきっかけで
中学の全国大会の優勝者である和(のどか)と出逢う。
ただ±0を目標に謙虚に麻雀を打ってきた咲。
勝ちつづけ、高みを目指してきたプライドのある和。
全く違う側面で生きてきた二人はガチでぶつかるが、
やがて同じ夢を叶える約束をする。
麻雀が嫌いな咲と対照的に麻雀が好きな和。
二人はやがてそれぞれの持つものや足りないものを
補いあうかのように成長し、絆を創り、
お互い強く逞しくなっていく。{/netabare}
【物語】
{netabare}
麻雀としての側面30%。
キャラとしての側面30%。
咲と和の絆40%といった所でしょうか。
このように物語においてこれだけは外せない
根幹とされる部分はなんといっても咲と和の絆。
原作でもアニメでも最重要の話が存在します。
それを見逃してしまってはこの作品の面白さ、
感動が半減してしまうというシーンです。
それは、
『原作1巻の第1局と2局』
『アニメだと第3話「対立」』
に相当する所となります。
詳細はこちら⇒
{netabare} ここで咲の名前の由来が解ります。
そして、ここが二人の絆の始まり。
そして咲を全国に行きたいと思わせる言葉が
ここにはあると気づきました。
詳細はこちら⇒
{netabare} 一度、会いに行ったことがあるんだよ。
お姉ちゃんは一言も口をきいてくれなかった―
きっとまだ私のこと怒ってるんだ…
でも麻雀なら麻雀を通してなら
お姉ちゃんと話せる気がする! {/netabare}
咲が姉ともう一度麻雀を通して話したいと思う
気持ちが顕になり、咲が抱える一番大切な気持ちを
和に打ち明けているというシーン。
ここで和が心を振るわせるんですよね。{/netabare}
これがあるから、二人はどんな困難な
戦いに遭遇しても、折れない心を持ち続けることが
できたのだと思います。
一生にこんな大切な気持ちを抱ける親友に
出逢えたなら・・・どれだけ素敵でしょうか。
原作を読んだ方向けのレビューです。
もしよろしければお読みください。
⇒{netabare} 第3話「対立」のところで、
『全国に行きたい…』という言葉がありました。
しかし、原作ではその言葉には続きがあるのです。
『私全国に行きたい…
全国に行かなきゃダメなの!!』
この言葉の強調を表すことの意味ですが、
咲は全国に行って離れ離れになってしまった姉と、
今の状態のままでは駄目と思っているのだと・・・。
このままの状態では本当の意味で
心も離れ離れになってしまう。
麻雀を通して姉の心を取り戻すためにも、
絶対に全国に行って姉と麻雀を打ちたい
という気持ちが込められているのだと…。{/netabare}
{/netabare}
【声優】
{netabare}
咲役の植田佳奈さんは『乃木坂春香の秘密』の
七城那波役で存じており、咲では主役!
一味違った演技だなあと感服しました!
嶺山開花(リンシャンカイホウ)
のあの台詞は聞くたびに感動し、
背筋がゾクゾクするくらいでした!
和役の小清水亜美さんは
『スクールランブル』の塚本天満から
存じておりました。
天満ちゃんの頃は元気でボケやお馬鹿な
演技が多かったのに、今回はそれとは正反対の
「えっ」「あぁ…」という繊細な演技が多い
箇所がアニメーションに見事に溶け込み、
登場人物そのものがまるで現実にいるように
思えました!
優希役の釘宮理恵さんはやはり、
流石です!ツンデレでない釘宮さんの声を
聞いたのはフェアリーテイルのハッピー以来。
優希の『だじぇー』と元気全開、
タコス好き全開なキャラと釘宮さんの
可愛い声とが見事に融合していました!
大好きなキャラである福路キャプテン役の
堀江由衣さんも彼女のもつ柔らかくて温かい
イメージにぴったりで登場するたび、
それだけで嬉しかったです!
{/netabare}
【キャラ】
{netabare}
この作品のもう一つの売りが
このキャラだと思います。
好きなキャラ3人だけ紹介させていただきますね!
ヒロインである咲がとても謙虚であることが
この物語の根幹とも言える箇所だと思います。
この彼女のもつ謙虚さが私は大好きで、
愛しくて堪らない。気持ちや気配を察する能力は
ある種私の好きな作品の『夏目友人帳』の夏目に
通ずるところがあって、この『思いやる力』こそ
が咲の強さなんだと思います。
もう一人のヒロインと言える和(のどか)。
咲がいなければ絶対にその先にいけなかったし、
咲自身も和がいなければ絶対に先に行けなかった。
プライドの高さとデジタル慣れをしていたが故に
彼女には持つ弱さがあった。
しかし彼女は咲の存在によってそれを
大きなバネにした。
そこが本当にかっこよかったし、素敵だった。
和には何度も泣かされてしまった。
持つ弱さ故に得た強さと元々持っていた
ロジカルな麻雀に対する向き合い方が
合わさったからこその和なのでしょう。
対戦校となる風越高校の福路キャプテンは
自らよりもまず部員のことを、
他に心を注いでいくという人。
彼女を見ていて本当に癒されました。
人に向ける優しさを行動で事示すような
そんなひたむきな姿勢が私は、
『フルーツバスケット』のヒロイン透に
通じるものがあるなと感じ、
菩薩キャプテンと自分の心のなかで
位置づけていました!キャプテン大好きすぎます!
{/netabare}
【作画】
やはり、私は落下盛んに舞い落ちる桜の花吹雪のアニメーションに弱いようです。あの光景が美しいと思えると、どうも最後までみてみたくなるような…。あのシーンが無ければ、原作を買っていなかったでしょう!また、原作の作画、キャラの絵も本当に綺麗で癖のない絵ですので、多くの人に受け入れられる作品になったのだと思います。
【音楽】
OP曲ED曲共に耳に残る曲でした!また、リアルに打てば地味な麻雀も咲たちの打つ麻雀にぴったりな臨場感際立つ音楽も大好きです!