けみかけ さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
どう考えても2時間半は長過ぎる! 大事なことは3つですよ!
まずは三つに論点を絞ってお話しましょう
①グレアムとリーゼ姉妹を廃したことは評価のポイントか?
②そもそもリメイク映画というこの企画自体は正しい判断だったのか?
③なのは空気じゃね?
ではまず①
今作のストーリーでテレビシリーズと最も異なるポイントなのが、闇の書の真相を握る人物であるギル・グレアムとリーゼアリア&リーゼロッテ姉妹が登場しないことです
そのため闇の書事件の問題点が闇の書の自己防衛プログラム(今作ではナハトヴァールと命名されています)の存在のみに絞られており、より簡潔で解りやすい方向に直されてるのです
この点はリメイクに際して改善された部分だと言えておりオイラは肯定的にみたいと思います
次に②
全部作り直したかったのはわかるけど前作1stで130分、今作ではなんと150分
ハルヒ消失とかもそうですけど、映画としての枠にまとめる気が更々無い;
もちろん『リインフォース消滅~ツヴァイの誕生』辺りはどうしても外せない、とかあるのわかりますけど全体の構成から受ける印象は【起承承転転結結結】といったメリハリの無い感じ
尺ももっと削れた気がします
んだけど、下手にエピソードを削って作ってしまうとベースに敷いたテレビシリーズからの改悪にもなりかねないですし、ファンを裏切る形になってしまうことだけは避けたかったのでしょうね
そうなるともう「映画としてマトメきれないのになんで映画として企画したのよ?」
って疑問につながっちゃうんですよね;
手早く確実に製作費を回収できる映画っていうフォーマットを上手いこと使って、我々消費者(ヲタ)からマネーを巻き上げんとする製作委員会と大手シネコンの思惑がバレバレですw
この点はもう少し上手く作って欲しかったですねー
そして③について
今作では八神はやてやヴォルケンリッターといった闇の書サイドの登場人物にスポットが集中しており彼女たちの心情が丁寧に描かれております
特に主を救いたいという一心で戦うヴォルケンリッターが一人、ヴィータちゃんの騎士道精神やっぱカッコイイですね
それと闇の書との別れを強いられるはやての涙もグッとくるところ
真田アサミさん、植田佳奈さんの演技素晴らしい!
またフェイトのトラウマでもある、アリシアの記憶が挟まれる場面もアリ
こうやってサブキャラが色を濃くしていく一方、ドンドン空気になっていく主人公たるなのはさん・・・;
これは一体どうしたものかw
なのは好キーのファンの方々はこれで納得してるのかしら?;
ヴィータをボコボコに圧倒する場面も端折られてますし、主役としての威厳が揺らいでいました^^;
結局映画としての出来栄えを取るとファンを裏切る、っていうスタッフさまの葛藤が垣間見える作品でしたので決して悪い作品だとは言い切れないのが悩ましいところ
オイラは元々からなのはシリーズの行き過ぎた暴力描写を低く評価してたので、今作で特にその価値観が揺らぐことはありませんでした
(つまりは評価の上昇も下降も無い、それがシリーズ最大のカタルシスであることも肯定してます)
それと「綺麗になった!」とファンの方々からは喜びの声が上がっている作画の面ですが、オイラとしては当時『ベルカ式作画』などと呼ばれた斉藤良成を筆頭にしたパースを崩壊させた迫力重視の作画もアレはアレでまた独特の味わいがあって良かったと思うのです^^;