無毒蠍 さんの感想・評価
3.2
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
暴走族に焦点をあてた作品なのに終了後はやけに清々しい後味でした。
湘南爆走族というチームに所属している五人にスポットをあててる本作。
二代目湘南爆走族は最初、江口洋介一人で出発しましたが、
後に江口の男気にひかれアキラ、丸川、桜井に原沢と集まってきます。
たった五人のチームということもあって規模は族の中でも小さいですが
一人一人の火力が高いので問題なし。
ただあまりにも相手の数が多いとやられちゃいますけどね。
そこらへんは無理に主人公陣営を最強に描かず好感がもてました。
江口も人数でおされたりしますがそうとうな数じゃないとまず負けません。
敗北とかには無縁のやつで五人の中でもケタ違いに強いです。
江口とやりあえるのはライバルーチームでもある地獄の軍団の権田くらいでしょう。
毎回江口にあっさりやられたりしてますがそれは俗に言う負け癖というやつですね。
幽白の初期の幽助と桑原みたいな関係ですよ。
作中で一度だけ権田がマジで江口とタイマンをやりましたが勝負はつきませんでした。
本気になった権田は江口と同じくらい強いです。
こいつらにとって喧嘩の質はどこにモチベーションをもってくるかで大きく変化するみたい。
この作品は不良をテーマにしているくせに内容は青春ものです。
これはこの作品に限ったことじゃないのかもしれませんね。
不良漫画は自然と青春ものになっている気がします。
喧嘩のシーンも多く存在しますが全体の割合で言ったら少ないですよ。
雑魚を蹴散らすような小さな喧嘩はありますが、
戦争と位置づけられるような喧嘩は1~2回くらいです。
喧嘩以外のことのほうが多く描かれていましたね、
サーフィンやったり体育祭やったり恋したり修学旅行に行ったり卒業式にでたり…
喧嘩よりもメインがそっちになってるんでここは人によって評価がわかれそうです。
私は正直もっと喧嘩シーンが多くみれる族同士の抗争の話がほしかったですね。
青春ものを楽しみたかったら他の作品みますし。
バランスがとれてれば気にならなかったんですけど、
青春ものに偏ってたのがちょっと気になりました…
江口と津山さんの恋の行方だったり湘爆の結成秘話だったりと面白いことは面白いのですが、
ほとんどの回がそういった話に偏ってるので私が求めていたのとは若干違いました。
そういったサイドストーリーのような話って時々やるからいいんですよ。
でもだからこそブラッディーヒールとの戦争だったり
大きな抗争の話がより面白く感じたというのはありますね。
大きな戦いというのはこの作品では珍しい展開ですから。
これはOVAがそういった話ばかり集めたからなのかなぁ。
原作は読んでないからわかりません。
ただサマンサとマコさんはガチで可愛い。
二人とも違った魅力があってよかったね。
アキラとタミーは最初のころじゃ付き合ってる感じしなかったのに、
終盤じゃただのバカップルになってたよ、まぁ仕方ないか…タミー可愛いもんね。
アキラの過去がちょろっとでてくるんですが
江口とのタイマンで負けるまではそうとう危ないやつだったみたい。
力のぶつけどころがなかったから初めて受け止めてくれた江口に惚れこんだのかも。
全部で12話くらいなんですけど1話の尺が一時間くらいあるんで結構長いです。
そういえば一話の江口の声優さんだけ別の人だったんだよね。
二話以降は塩沢さんだったけど。
この作品の特徴でキャラの声優さんがコロコロかわります。
もちろん二話以降のメインは固定ですけどそれ以外がね…
時々でてくる脇役っているじゃないですか、
その脇役がメインの話だとそれ用の声優さんにチェンジされてることが多いんですよね。
その話が終わってまたちょっとしか登場しなくなったら適当な人にやってもらう、みたいな。
なのでキャラが定着しないので違和感が結構ありました。
サイドストーリーのような話ばかりで構成してあるので清々しい青春ものという印象でしたね。
どうせサイドストーリーをやるなら二代目湘南爆走族結成秘話とかやってほしかったです。
一話の回想でアキラが江口にぶっとばされて他のメンバーも江口に惚れ込んだというのは
ちょろっとやってくれましたがそれを最初から最後までガッツリみせてくれたほうが見応えありましたよ。
青春は一つの要素として大切だけど、
その前にもっと見せてほしいものがあったということです。
最初は楽しいし最後まで見ることもできました。
しかし最初の楽しく感じた青春シナリオが最後まで続くと若干くどく感じたのもまた事実。
バランスがとれてないのが惜しい作品でした。
【B+75点】