plum さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
世代を超え引き継がれる歌
途中で中だるみどうこう書きましたが、終わってみればいい作品でした。
高校生の男女5人組。合唱がテーマ。
こう聞いてイメージしたのは、合唱大会での優勝などを目指して、挫折しながらもひたむきに頑張る物語。その中で、仲間同士で思いに相違があったり、恋愛で揉めたりするんだろうな、と。でも、そういう在り来たりなものではありませんでしたね。
来夏、和奏、紗羽はそれぞれのやりたいことに向かい合い、乗り越えようとします。その過程において、ドラマチックな友情は描かれません。あるのは、仲間を含めた、周りのいろんな人の小さな心遣い。その小さな気遣いが積み重なって、乗り越え成長していく物語だと思いました。
好感が持てたのは、大人の関わり方と恋愛要素がほとんどないこと。大人が存在しないアニメも多い昨今、この作品では、親や教師など大人の存在感がとても際立っています。例えば、同時期の放送であるココロコネクトを見てみると(自分は好きです)、あちらはほぼ仲間5人だけの世界を描いており、彼等に大して大人は全く影響を及ぼしません。そして描かれる彼等の心情は、そのほとんどが恋愛感情です。アニメやラノベ的には、その方が受けがいいと思います。でもあえて恋愛をほぼ廃し、大人との関わりを描いた本作は、とても新鮮に感じることができました。
「心の旋律」はいい歌です。
そして、合唱っていいなと、改めて思いました。本作では、和奏の母と教頭が若い頃に作った歌が、子供達に引き継がれました。自分が子供の頃に歌った「翼をください」は、今も教科書に載っているのでしょうか。フランスW杯予選、サポーターによる「翼をください」の合唱には、感動したものです。教科書掲載にあたっては苦労があったようですが、「心の旋律」もいつか教科書に載るかもしれませんね。
ちょっと各話のタイトルを、true tearsっぽく書いてみた。
1話 私、歌とかやめたから
2話 この前の答、探してくるね
3話 モジモジしてキモイね~
4話 音楽はやめられない
5話 私にとって歌は愛を伝える言葉だから
6話 お母さん、ありがとう
7話 大っ嫌い!ハゲろ!
8話 坊主なめんな!地獄に落とすぞ!カァーーーーツ!
9話 レッド…レッド…レッド・・・
10話 歌というのは、自然に奥から溢れてくるものでしょう
11話 できたよ、歌
12話 母にも、そういう友人がいたんじゃないでしょうか
13話 ただいま
あれ、1話はtrue tearsっぽいと思ったのに、いつの間にかネタばかりに・・・。
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■10話まで視聴
残りあと3話というところまできましたが、正直なところ中だるみ感がある。
理由を考えてみたんだけれど、ひとつは”歌”と関係ない話が続いていること。このアニメは歌を中心に据えて、和奏たち5人を描くものと思っていた。でも、8話で紗羽の話になって以降、歌はどこかへ行ってしまってるように思えるんだよね。最終回のようだった2話みたいに、歌を通してキャラを深堀りして欲しいと思っていたから、ちょっぴりもやもや。
と、何気に公式HPを見てみたら、次の一文が。
-晴れたり泣いたり、あとはときどき歌ってみたりー
なんですと!?歌はときどきだったのかーーー!
えっと、2点目にはメインキャラがハッキリしていないこと。もちろん和奏が主人公なんだろうけど、各話でのメインキャラはそうじゃないよね。来夏→和奏→紗羽→ウィーンときてるかな?田中はあったっけ・・・?ひとりひとりしっかり描くのはいいんだけれど、そうこうしてる間にもうあと3話しかないんですが。
どうもピントがぼやけていて、何を見せたいアニメかわからなくなってきたなぁ。でも、後3話で挽回してくれることに期待しよう!
■2話まで視聴
いや~やっぱりP.A.WORKSのオリジナルアニメは好きです。
2話の時点で、だいぶ各キャラの性格が見えてきた感じですね。男二人がこれからどう絡んでくるのか、和奏が音楽科をやめた理由など、これからが楽しみです。
それにしてもP.A.WORKSの背景はいいなぁ。ピアノや体育館の床への写り込みとか、ガラスも磨りガラスだったり、そういう細かい部分への拘りをすごく感じます。体育館の床といえば、TrueTearsの最終話を思い出しちゃいますよね!
ただ細かく書き込んでる、というのとは少し違う気がします。例えば京アニの氷菓なんかも背景はすごく書き込んでいるんだけれど、あちらはどうも重苦しくて、いい風景だなと感じることはないんですよね。P.A.の背景には、新海誠に近い、背景からその場の空気を感じます。それは自宅でも、学校でも、街中でも同じです。
OP/EDも作品の雰囲気にとても合っていて、毎回飛ばさずに聴いてしまいそうです。