CC さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
地球は妖精さんのモノ
この作品は『不思議』と『不条理』がかけ合わさった『ファンタジー』です。『不条理』といっても物語に矛盾はありませんよ。私はこの作品にドップリとハマってしまいました。視聴中、この作品に対する印象がコロコロと変わりましたが、最終的には良作と思えた作品です。そんなワケで良かったと思った点を少し書きます。
・時系列を逆にした放送順が良かった。
この演出が印象をコロコロ変えた原因かもしれません。始めは、おとぎ話のような雰囲気で掴みどころのない印象でしたが、見ていく内にキャラクターや物語が定まっていく、そして12話13話で点と点が結ばれて線になっていくように感じました。最終回で感動できたのは単に物語が良かっただけではなく、今までを見ているからこそだと思います。
逆に、時系列通り「学舎」の話から放送すると、「わたし」と「Y」が互いにキャラ付けしている会話を序盤に聞くことになります。そういった会話があるとキャラクターがそのキャラ付けで収まってしまいます。そうなってしまったらおしまいです。線の上を歩く物語へと変わってしまいます。時系列を逆にした演出は、本作の雰囲気からこそできる最高のモノだったと思います。
・「わたし」の声が良かった。(cv中原麻衣)
「妖精さん」の声も可愛いらしくて良かったのですが、「わたし」はもっと良かったです。なぜかといいますと、「わたし」の透き通った優しい声がモノローグに説明臭さを無くしているからです。セリフにも説明臭さは少なかったですが、演じ手によって、モノローグをナチュラルに包みこんでいたと思います。
圧迫感を与えない色合いやブラックユーモアな部分など、他にもいい所はたくさんあると思いますが、じっくり見直した時にでも書いていこうと思います。タイトルこそ衝撃的で絶望しかないような舞台ですが、そんな事をまったく感じさせない良作でした。「衰退」という言葉に捉われないで見ましょうね。