ぱるうらら さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
第7話の演奏が未だ脳裏に焼き付いている。
『坂道のアポロン』は少女漫画原作、1クール(全12話)の学園・ジャズアニメです。
このアニメの原作は“2009年版 このマンガがすごい!”のオンナ編で1位に輝いた作品です。それに加えアニメ全体から見ると何気に少ない『音楽』の分野で、マクロスシリーズの様な『歌』ではなく、のだめカンタービレの様な『演奏』をメインとした数少ないアニメです。
音楽アニメは時間や手間、費用ががかかってしまうから少ないのか、それともそもそも演奏の様子をメインに取り入れた原作(漫画)そのものの数が少ないのか...。
学生運動が盛んな頃の時代設定であるため、それに比例して全体的にレトロな雰囲気を醸す作画にし、現在流行の『萌え』の要素を全く取り入れない人物のデザ イン。女性達の要望も、一体何年前の作品に出て来る人物のデザインだろうという感じでしたが、最近のアニメに出てくる女の子達の表情と比べたら何倍も表情 に豊かさがあり、心情も伝わり易いので人間ドラマを展開させるには今作の様な人物の方が良かった。
このアニメは音楽だけではなく人間ドラマにも力を注いでいました。登場人物達の心情の起伏が結構激しく、特に主人公は性格上か常に心が乱れてました。それ 故、たまにイラッとしますが、そのイライラはその直後に始まるジャズパートによって奇麗サッパリ取り去ってくれました。色々なモヤモヤをスパイスに、そこ から始まるジャズの演奏は格別です♪
と、上記では人間ドラマの事を述べましたが、やはりジャズの演奏はこのアニメの最大の見所でした。個人的には、特に第7話「ナウズ・ザ・タイム」はまさしく傑作と呼べる回だったと思います。
私はこの回を観ていた時、思わずにジャズのリズムに合わせて足でダンダン♪ダンダン♪とタップを踏みながらノリノリで視聴していたために、「うるせぇ!!」と怒鳴られてしまいました(笑)
けれども、それ程ココロオドル展開だったと言う事で...。全話を通してもかなり高い完成度を誇っていましたが、やはりあの気持ちの高揚具合は忘れない。
あんな気持ちは涼宮ハルヒの憂鬱の『ライブアライブ』以来…、全然違うアニメだけどw
また、音楽としてのクオリティはOPテーマにおいても発揮。
今回“YUKI”がアニメのテーマソングとして歌った『坂道のメロディ』はとても良かったです♪