ナベケロ さんの感想・評価
4.9
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
うらやましい限りです。
この作品は解離性同一性障害、いわゆる多重人格を幽霊で表現した作品です。
表の夕子さんと裏の夕子さん。
本来同一のものでなくてはならない存在が切り離されることで、切り離された側が切り離したものに憎しみを覚えると云う定番ものでした。
人間と云うのは、本来切り離した数だけその人は暗い過去をお持ちです。
かといって、切り離した側にも人格があり、人格以上のストレス耐性は無いのが通常です。
ストレスに耐えきれなければ(発散しなければ)=死の概念を考えてしまうのが感情を持つものの運命でしょう。
人の細胞にはもとから遺伝子内にアポトーシス(自殺細胞、自己破壊細胞)と呼ばれるものが存在していますが、この作品では、アポトーシスは感情にも存在するような表現がありました。
しかし、生きた人間でなければ存在しないという矛盾を幽霊に触れられるという設定にすることで、可能にしたように感じます。
もしひょんなことから、それが融合するようなことがあると、ため込んだ分だけ、精神ダメージは計り知れないものがあります。
といった、知識のお披露目会をしてみました。
私は『ホラーとミステリーは紙一重だと思います』
なぜなら、どんなホラーも科学や歴史で証明できれば、それはミステリーになり、証明できないことはいまだにホラーとなって「怖い」を煽って、面白さを増すからです。
ただし、人によって見る観点が違うのですから、起こった事象がミステリーになるのかホラーになるのかはその人次第ですけどね。