ラスコーリニコフ さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 5.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
手榴弾を隠すなら爆弾、地雷、アートの中
これ、体裁上バイオレンス、グロテスク、エロス、SF、ハー
レムとかいうジャンルになってるけど、、こんなのブラック
ジョークを大量に用いたコメディだよ。
海外人気はすげー分かる。メタボのおっさんがポテチ大量に
食いながら手を叩いて笑う様が目に浮かぶ。何が一番驚いた
って、これが日本で一部カットされつつも放送された事だな。
素っ裸のロリ、そのロリに対して問題ありまくりの性描写
(ある意味本番やらかすより倫理上問題)、すっ飛びまくる
手、足、首。善人も悪人も容赦が無く、話に必要ない人間は、
あるいは必要に応じ、フラグも立てず、溜めも作らずにいき
なり血飛沫を上げ血の池を作って退場。
その横で進むほのぼの日常会話、ありきたりな萌えシーン、
そんなブラックジョークをまるで芸術ですと言わんばかりの
オープニング、話の内容、音楽。通常の作品では飛ぶはずの
ない首が飛ぶ飛ぶ。こんなに飛ぶ話は久しく見てなかった。
ホラー映画なんかにある手法だけど、最初高頻度でスパスパ
さくさくっと人殺すと、次の瞬間誰の身体の一部が、半分が、
首が吹っ飛ぶか分からないスリル、緊張感が作品中でずっと
続く事になる。そうすると話がダレにくい。
殺人鬼はタイミングを待ってくれない。危険が迫ってるのに
逃げず、くだらない茶番を演じてる演出や、感情に任せ立ち
向かったら解決とか「ご都合話」多いけど、そんなのは一定
の確率で「一定の結果が起きるべき」
危機的な状況にいるのに、事態を把握してない鈍感な人間は、
あっさりと相応の結末を迎えるはずで、全てがそうなれとは
言わないが、いつそうなってもおかしくないっつー雰囲気が
作品全体にあったのは評価すべき点かな。
いつの間にか、こんなシーンでは異変が起きない、人が死な
ないとか、こういうシーンでは何かが起こる、とか、こいつ
は死ぬキャラっぽい、こいつは絶対死なないだろうとか、
「こーなったらこーなる」ってのに慣れ過ぎてたのを気付か
される作品で、本来ここまで物理を無視した力を持つ生き物
がいるのであれば、こういう結果は不自然じゃない訳で。
バイオレンス、グロ、エロ以外の部分がよく作られている
せいでいくらでも言い訳ができる。猟奇好きかつ偽善者の為
の、隠れ蓑的な。ヌードが見たいのを正当化する為の裸婦
スケッチみたいな。
一昔前に、バトル・ロワイヤルって映画が流行ったけど、
ああいう直球は一部に派手に叩かれるが、そういう点を大人
らしく上手くごまかした。あくまで、事故に見せかけた。
通常しない配合の仕方で、何ごまかしてんだよ、言い訳がま
しいって意味じゃガンスリンガーガールなんかが近いかな。
ただあっちは別に配合しても問題ねーけど、こっちのは盛大
にマズいだろwな感じ。
一部シーンとガンツとか、漫画のサイコとか、名前すら覚え
てねーようなコアでグロい作品とかを思い出したけど、そう
いうのとも質が違う。
すっ飛ぶのメインで、そこにしょーもない萌えで味付けして
残虐さをそこはかとなく笑いにつなげました、でも証拠は残し
てません、完全犯罪だから大丈夫です、みてーな。
猟奇的な事を気が狂っとる奴やDQN、あとは化け物がやらかす
のは、そんなに珍しくも無いし、萌え絵でそれをやらかしたの
だとひぐらしあたりが上手くバランス取ったけど、いざとなっ
たら反撃すりゃ良いじゃん?みてーなのは、個人的には怖くは
ねーんだよね。この作品みてーに突然イミフな力で、理不尽に
首や胴がすっ飛ぶほうが余程スリルがある。
・スピード感がある
グロ話でスピード感とか、中々使わなそうだけど、とにかく
色々すっ飛ぶのがはえーんだよ。一瞬で人間が人間だったもの
になりやがる。
・ギャップがある
何か起こりそうなシーンで
→しょーもない萌えシーン
→何も起こらない
→首や胴がすっ飛ぶ
起こる事にあり得ない格差があるんで、何度も意表を付かれる。
「ん、ここ飛ぶか、飛びそうだなこいつ、来るか、まだか、
この構図危なくね、その距離はマズイだろ、あw飛んだww」
みてーなテンションで、すげー見応えがあったが、そういう
感想ばかりが出ると社会問題になる上に、書いた人は人間性を
疑われるから、感想を書いたり距離のある人に勧める際は、
「大人らしく別の要素を評価するのが良い」だろうね。
一見理不尽に見える死についてだけど、完全に巻き込まれた形
の人間は単に運が悪いが、8割くらいは愚かな判断、行動により
死ぬべくして死んだ。危険を察知しても逃げる判断ができない
とか、変な事を優先し自分の命を守らない愚か者の末路。
俺が一番笑ったシーンはあんまりなんで伏せておく事にするけど、
なんてか気持ちがスカっとする作品なんだよね。
「こいつこんな状況だったら10回は死んでるだろ」って奴が生き
過ぎてるアニメ多いんで、そんな奴の多くがきっちりと、行動に
相応しい最後を遂げる事が多いのが素晴らしい。
悪い奴が死ぬんじゃなくて、間抜けが死ぬ。それがリアリティ。
殺す手段はリアルからかけ離れてるのに、死ぬ理由だけはリアル。
危険なものを判断できない、すぐ逃げない、近づくからすっ飛ぶ。
これで主人公他が最終話ですっ飛んでたら言う事無かったな。