癒しフランキー さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
菩薩が神様を癒す物語
【大まかなあらすじ】
アルバイトをしながら、テントで一人暮らしをする心優しい女子高生本田透。同級生草摩由希が行き場のない透に由希が手を差し伸べ、草摩家に住み込むことに。だが、一見何の変哲もない家庭である草摩家には重大な秘密があった。『異性に抱きつかれると動物に変身してしまう。』という、十二支+猫の神様の呪いを草摩家の人たちは背負っていた。その呪いが付いて回る草摩家の人たちの思いや気持ち、悩み、苦しみ。しかし、透がもつ菩薩のような優しさで、由希や草摩家の人たちは癒され、自分たちの持つ恐ろしい呪いにも向き合っていく物語。
【物語】
透が本当に毎話、涙を誘う優しさを見せてくれます。『異性に抱きつかれると動物に変身してしまう』という呪いがどれだけ苦しめるものなのか、1話を見た当初、私は想像もできませんでした。それがどれほど、悲しくて、寂しくて、一人ぼっちに思えてしまうことなのか、想像できなかった自分がどれだけ至らないかを思い知らされました。もしも、そんな呪いがあったならば・・・どれほど悲しい物語を生むのか・・・。話を重ねるごとに常に想像の範疇の上を行く物語が展開されました。それと同時にに涙を流す時間も長くなっていく・・・そんな物語じゃないかと思います。ただ悲しいだけの物語ではなく、その悲しみや辛さとを癒してくれる透やその友達、癒されていく由希たちの気持ち、十二支のそれぞれの思いがこの作品の見所なのではないかと思います。話を重ねるごとに登場する草摩家の人々が『こんどは何の十二支の人なんだろう?』と興味をそそられました。
【声優】
大ベテランの堀江由衣さんの主役を拝見したのはこの作品が始めてでした。いつも可愛い声の堀江さんの声ですが、この作品では高い演技の中に新鮮さを感じました。爽やかでそれでいて慈しみを持った透にぴったりの演技だったと思います。
【キャラ】
キャラに大きな特徴があるのもこの作品の大きなセールスポイントではないかと思います。透はもちろんのことですが、夾がこの作品の鍵を握っています。夾が透に心を開いていくところが私は大好きです。十二支それぞれ個性があるので毎回楽しく見れるのはそのおかげなのかもしれません。
【作画】
11年前のアニメなのですが、それを意識することなく最後まで見ることができました。『人』にスポットがあたっているため、風景にスポットが当たらないためその表現が行き届いていない感じはします。
【音楽】
憂いの気持ちが込められた曲でしっとりした歌声がささやく様に流れる主題歌。この作品にぴったりだと思います。また、十二支が変身するときの音がとても意外な音なので、鳴ったときちょっとに『ニヤッ』としてしまうかもしれません。
【最後に】
透という子は本当に優しくて心が綺麗な子です。彼女が草摩家に溶け込んでいく様子を応援しながら見てあげてくださいね。