shisune さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
コロッセオ
いいたいことが分かりやすい作品ですね。
そして、それが押しつけがましくない、
とても良い終わり方だったなと思う。
久しぶりにすっきりした気持ちになりました。
もう一度見直したくなる作品です。
最近時間がなかったのに原作を読んでしまいました・・・
いいたいことは原作とアニメは結構ちがいましたね。
さすが原作。知的でうんちくだらけの語り口はアニメ以上でした。
でもリズミカルで面白くて、すぐに読み終わってしまった。
ちなみに、ママチャリ"まなみ号"は森見富美彦先生のデビュー作『太陽の塔』にでてきます。
ここから下はバリバリのネタばれになります。(アニメの評価です)
人生のなかで、無駄は必ずあると思います。
それは、様々なサークル活動だったり、ハヌキさんのエンドレスナイトに付き合ったり、
城ヶ崎先輩のラブドールに心奪われたり、文通相手に恋をしたり、
樋口師匠に弟子入りし、Y談にふけったり、OZとの自虐的代理代理戦争だったり。
こういった無駄に思われることを省いた結果、「私」はどこまでも続く四畳半という
SF世界に迷い込む。これは「私」が望んだ世界、無駄のない世界である。
縦に時間が進んでいくとしたら、SF世界の「私」は横にしか移動できない。
様々な可能性の自身をみて、ようやく気付く。なんて楽しそうなキャンパスライフなんだと。
人間、きれいなままでは生き続けられないと思います。不毛かと思われる雑多な人間関係が人生を
たのしくさせるんでしょう。
あとになって気付いたのですが。この独特の演出。「これいらないんじゃない」と思わせる演出。
こうした無駄な演出こそが、このアニメの伝えたいことであり、このアニメの面白いとこなのかな。
バラ色オンリーの人生はありません。何度繰り返したってそんなものにはぶち当たりません。
大事なのは、楽しもうとする姿勢なんだと思います。OZの顔がかわったとき、そうおもいました。
原作よりもアニメの終わり方のがいいですね。感動できるし。
あのシーンを最後に持ってくる方に私は一票いれたいです。
森見先生の『太陽の塔』『四畳半神話大系』『夜は短し歩けよ乙女』『有頂天家族』
などをよんで、つくづく無駄がおもしろいと感じました。
ストーリーの重要なとこだけ集めると、それはそれは魅力の少ないものになってしまうけど
余った無駄なとこに目をやると、こちらのほうがキラキラ輝いているようにみえる。
カットする部分がないほどおもしろいとこが、ちりばめられ過ぎて全てが重要。
これが森見先生の作品だと思います。
[20110613][20111023]