lostman6 さんの感想・評価
4.3
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
この空の蒼と、雲と音楽で、AIRは永遠の夏の記憶になる
ある夏の、一人の少女を取り巻く長い長い物語。
この作品は、Keyというブランドが作った恋愛ゲームを原作としてアニメ化したものだ。ゲームと同様にアニメ版も三部構成になっており、第一部「DREAM編」、第二部「SUMMER編」、第三部「AIR編」で完結する。
この物語は、あらゆる場面に伏線がちりばめられていて、話を進めるごとに回収される見事な展開を見せる。そして、綿密に絡まりあった要素を一つ一つ紐解いていくほどに、視聴者は感動を重ねることができることだろう。
人形遣いの旅人、国崎往人は、田舎町で不思議な少女、神尾観鈴と出会う。謎の病に冒された彼女の運命を巡って往人は翻弄するが、その因果は遥か昔に決められたものであった。
{netabare}
〈第一部〉
往人と観鈴の出会い。往人は、彼女を取り巻く環境、彼女の周りに居る人々と関わるうちに、観鈴の置かれた複雑な事情を知る事になる。そして、往人は悩んだ末に、彼女の元を去ることを決断するのだが……
〈第二部〉
千年前――翼人の運命を背負って悪夢の住人となった神奈を救うため、未来に託した柳也と裏葉。それが世代に伝えられた「記憶」として現在につながってゆく――
〈第三部〉
往人は完全な傍観者となる。カラスは観鈴から「そら」と名付けられる。カラスは「僕」、そして「僕」は〝あなた〟だ。神奈の運命を継いだ観鈴は「幸せという記憶」を残してゴールする。それを見たとき〝僕〟は何を思うのだろうか。彼女に対して、何を想えばいいのだろうか。
実は、ここに答えはない。あるのは「観鈴は自分なりの答えを見つけたのだ」という事実だけだ。
〈最終話〉
観鈴を亡くした晴子は、「僕」である「そら」に語りかける。
「お前は自由に飛べ――いつかまた会おう。さようなら」
〝僕〟は「この世界」から旅立たなければならない。自分の目指すべきゴールへ辿り着くために。この夏の空を、永遠の思い出として記憶するために。
{/netabare}
▼きっとこんな人におすすめ
・夏の余韻にたっぷりと浸りたい人
・試聴後に脱力感に襲われる感覚が好きな人
・二次元世界の唯一性に感情移入して3日くらい放心したい人