人 さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 3.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
完成度の高いアニメ
物語の評価 5.0
よく考えられているストーリーだと思う。
動物たちの憎しみが生まれたと思われるタタラ場はあらゆる不幸な運命に直面した女性たちや、病人を受け入れる暖かい場所であり、アシタカにとっては自分の腕のあざの原因が生まれた場所でもある。タタラ場で生き生きと過ごしている女性達の笑顔を作った人間が、同時に森の動物たちが祟り神となる原因を作った人間でもある。そんな矛盾の中、人と森が共存できる方法を探し、奔走する10代後半の少年と森の側につく山犬に育てられた少女を中心とする物語という解釈を僕はする。
声優の評価 3.0
90年代の作品なので、今の時代しか知らない僕が評価するのは間違いだと思う。なので3点
キャラの評価 5.0
アシタカ
恐らくまだ10代であろうにもかかわらず、村の掟に従い自分の髷を切り、村を出て行くことに何のためらいも見せなかった。また、タタラ場の女性達が生き生きと過ごしているのはエボシのおかげなのだが、そのエボシが自分の腕のあざを作った張本人であるという矛盾をどのように捉えて良いか分からないといった純粋さを持つとても心優しき少年。人と森のどちら側にもつかず、どちらのピンチであっても両方を助けようとする僕の中で正しさとは何なのかを示してくれた少年。
サン
山犬に育てられた人間の少女。ゆえに人と森の戦いでは森側の唯一の人間であるがために、人間である自分を好いてはいない様子。劇中数回「私は山犬だ!」とロにする。ゆえに人間からは「もののけ姫」と呼ばれ、動物達からは醜いとののしられる。それが理由でおそらくは自分の命など森が助かればどうでもいい。というニュアンスのセリフをロにしており、アシタカには「生きろ」といわれて最終的には母親であるモ口の君を失っても生きることを決意する。
エボシ
タタラ場の主。シシ神の森の動物達の憎しみの根源。何度もサンが戦いを挑み、撃退されている。売られていた少女達を全員買い取り、タタラ場で働かせる、世間で避けられている病人達を引き取り、職を与えたり、と大きい器を感じさせるが、そのために土地の拡張は必要不可欠で森を切り取り、タタラ場の拡張などの為に森の動物達の恨みを買う行為にも走る。動物達のうらみの根源でもあり、人類の見方かと思いきや、男性は捨て駒のように扱う冷徹な人間。物語の中でも重大な役を担う人間だと思う。
モ口の君
山犬のボス、といった格付けにでもしようか。サンを育てた。サンにとっては彼女がとても美しく見えたのだろう。だからサンは山犬になりたがった。という解釈が妥当だと思う。エボシをかみ殺すことが最優先事項だったらしく、劇中終盤は首だけになってもエボシをかみ殺そうとし、かわされたが、腕だけは持っていった。
etc...
作画の評価 5.0
壮大な森、かれた森、次々と増えていく木霊の数。なんといっても緑の多さがポイントだろう。すごいの一言に限る。
音楽の評価 5.0
歌詞と作品のリンクが多い。歌手の高音ののび具合も素晴らしい。僕個人としては6.0があってもいいほどの曲だった。
最後まで読んでくれたあなたへ。
カタカナのろが漢字の口(くち)、漢字の口(くち)がカタカナのろになっていることに気づいてくれましたか?