plum さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
いま、万感の想いを込めて汽笛がなる―。もう満足です
とある日のこと。ニコ動でさよなら銀河鉄道999のMMDを見た。流れる名曲。老パルチザンの台詞。う・・・うわぁぁ何か込み上げてきた!と思った数分後には、劇場版1作目をAmazonでポチッとしていました。
「いま、万感の想いを込めて汽笛がなる―。」
BDパッケージの裏面に記載された言葉。これだけで満足して危うくBDを放置してしまいそうでしたが、気を取り直して視聴しました。
銀河鉄道999~GALAXY EXPRESS 999~。
1979年に上映された作品です。wikiによるとその年の邦画配給収入1位を記録したそうです。子供の頃、TV版を再放送で見たのは覚えていますが、劇場版については記憶が定かでありません。もし、初めて銀河鉄道999を見る方がいたら、「33年前に子供向けとして作られたアニメ」という前提で見たほうが、より楽しめると思います。
この未来世界においては、機械の体に人の魂が入った「機械化人」が、上位者として人間を迫害しています。その機械化人に母親を殺害された主人公鉄郎が、無料で機械の体をくれる星を目指して、メーテルとともに銀河を旅する物語です。
この物語には、三種類の人が存在します。
永遠に絶えることのない命を望み、機械化人になった人。
今の限りある命を尊び、機械化人に反抗する人。
機械化人になったものの、生身の頃が忘れられない人。
鉄郎は目的地までの旅の中で、さまざまな人に触れ、旅立ちの際とは違う答えに辿り着きます。子供の頃は、その答えこそが人として正しいものであり、機械化人は明確に悪でした。しかし、それは決して正解ではなく、あくまでも選択肢の一つに過ぎないことは、大人になって分かることなのかもしれませんね。
人によって色々な捉え方があると思いますが、私にとっての銀河鉄道999は、少年が旅の中での多くの経験を経て、大人になっていく物語でした。
33年前の作品とはいえ、BDで見る限り映像はかなり高い水準だと思います。また、この頃のBGMは、確かに古さは感じるものの、何故か胸に響くものがあり、耳に残ります。小難しい事を考えずに、頭を空っぽにして見るのがいいと思いますよ。
それにしても、999の車窓からこぼれる明りには、妙に暖かみを感じるのは何故でしょうか。