どうまん さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
主人公不在の群像劇として
●1期単体の感想
原作未読。
アニメ『stay night』と異なり、「いかにして聖杯戦争に参加するに至ったか」や「いかにして勝つか」という部分に関しての描写がある。
大方の視聴者は最終的にはどうなるのか知っているので、話筋以外のこうした要素が出てくると、俄然面白い。
キャラの立て方や動機を分かりやすく描けているのはとても良い。
…一部を除いて。
●主人公は誰か?
今回の主人公:衛宮切嗣は暗殺を得意とし、彼の立てた作戦もまた暗殺が主であるため、自然裏方に回る場面が増える。
1期では彼自身の内面を描写する場面が少なく、結果、視聴者から見て不透明極まりない主人公となっている。
周りのキャラが立っているのが、却って仇を為した印象。
切嗣を含むマスターらの「勝ちを狙いに行く姿勢」が目立つ一方で、セイバーの「騎士道」は明らかに方向性が異なっており、主人公サイドへの感情移入がややし辛くなっている。
…恐らく最も感情移入しやすいのはライダーペアではないだろうか。
動機がはっきりしており、キャラクターも確立し、マスターの弱さは物語内での成長の可能性を示唆している。
実質的な主人公は誰かと言えば、それはウェイバーに他ならないだろう。
もっとも、この『Fate Zero』は切嗣にのみ焦点を当てた話というのではなく、むしろ切嗣は単なる一要素でしかないので、その点はあまり問題では無い。
群像劇として見る、あるいは『stay night』にどう繋ぐかを見るのが正しい。
セイバーはそのどちらにとっても、重要とはほど遠い。
●と言いつつも
結局は2期での完結を前提に見るべきなのだろう。
ただはっきり言える事があるとすれば、『Fate Zero』は『stay night』よりも真面目に聖杯「戦争」をしているし、また動機もはっきりしている。
それ以外の部分に関しては2期も含めて見なくてはならない。