ものぽらいざ さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ジブリ風味な地下世界ファンタジー
綺麗な背景にジブリ風味な地下世界ファンタジー。
とは言え、目先だけのジブリオマージュに惑わされないで欲しい。描きたい物語がジブリではありえない内容だからだ。
死んだシュウに思いを募らせる明日菜
死んだ妻を生き返らせたい森崎先生
その二人が死者を甦させることができる地下世界アガルタを旅をする。
そしてその結末は。
{netabare}
シャクナ・ヴィマーナから伝えられた言葉。
「喪失を抱えて尚生きろ。」
これがこの物語の一番言いたかったこと。
それに対して明日菜が感じたことは
「でもきっと祝福でもある。」
祝福は序盤でシュウが明日菜に贈った言葉でもある。
そう、ただ生きて欲しいというメッセージ。
このメッセージで
新しい生活を地上で過ごす明日菜と過去を引きずりつつ地下で生活する森崎。
これは、秒速5センチメートルの内容とオーバーラップする。
その演出の一つとして踏切も登場する。
そう考えて明日菜と森崎を見直すといろいろ気がつく点が多い。
さて、新海作品は喪失を抱えて生きることに美学を見出している。
そしてその喪失が恋人ってところが話が一本槍になり、浅くなってしまう。
出来の悪い携帯小説みたいで、新海作品の残念なところだ。
{/netabare}
それにしても踏切が好きなんだな。