ふりーだむ さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
少女の切ない「初恋」を綴った夏物語
ある日、祖父の家に遊びに来たいた少女、蛍は山神が住むという森に入り込み迷ってしまう。そこで出会った一人の青年・ギンと出会う。ギンに助けられ森を抜けることができた蛍。ギンは人間に触れられると消えてしまうという。約束を守りつつ毎夏ギンと会うために山神の森にやってくるようになる。毎夏の逢瀬で絆を深め、心を惹かれていく二人。高校生になった蛍は卒業後、森がある街に就職すると告げる。ギンは悲しき運命とホタルへの思いの中決意を秘め、妖怪たちの夏祭りに誘う。少女とギンの切ない夏の物語。
夏目友人帳の作者とアニメスタッフが製作した短編作品。夏目同様美しい画で妖怪と人間との物語を描いています。
祖父の家の近くになる山神の森で迷った蛍の前に現れたギン。赤子の時に山神の森に捨てられ、山神の力によって生かされ、人間に触れられると消えてしまうという。
少女から大人の女性へ成長する蛍。そして出会った日から姿を変えないギンの姿に戸惑いつつも銀への気持ちを募らせていく姿がよかったですね。ギンも自分の運命とホタルへの思いに悩む姿もよかったです。
そしてクライマックス、それぞれの思いいを秘めつつ、一人の少年が転びそうになったところを助けたギン。それは人間の少年であり、消えてしまいそうになる刹那、ギンと蛍はそれぞれの「触れたい」という願いが叶う。嬉しくも悲しい瞬間でした。
そして3年後、夏の悲しき思い出を乗り越え、彼が住んでいた森のある街へ向かう蛍。その心にはいつまでもギンへの想いがあるのでしょうね。
少女の淡い初恋を描いた、切なく美しい物語。夏目を好きな方には是非お勧めしたい作品ですね。時間的にも、これ以上短くすると、感動が伝わりにくい感があるように思うし、長くなると間延びしてしまう感もあるように思えるので、45分という時間はこの作品においてちょうどいい時間だと個人的には思います。
EDのおおたか静流さんの「夏を見ていた」も作品にあった優しい曲でとてもよかった。
「緑川ゆき原作、『夏目友人帳』のスタッフが贈る、もうひとつの妖奇譚」。「蛍火の杜へ」とても良かったです。