とろろ418 さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
才(佐為)はヒカルの中に……
作品としては、面白いです。
特に佐為とヒカル、ヒカルと塔矢アキラ、佐為と塔矢行洋、あたりの関係性が上手い。
ただ、成長物語や囲碁漫画として見た場合は、そうでもないかと。
前者に関しては、起因と結果だけで成長過程が吹っ飛んでいるし、起因自体が外的なものなので、成長に重みがないです。
後者は人それぞれですが、私はこの作品を見て、囲碁に興味を持つことはありませんでした。
理由→{netabare}
①囲碁という題材
囲碁出来ない人には試合内容がわからない。形勢すらも。
なので、どんなに凄い手を打とうが全くその凄さを感じられない。
もう少し配慮して欲しかったです。
②イメージ悪い
特に碁会所。おっさん+煙草って最悪でしょう。
しかもマナーがなってない。子ども居る時くらい配慮しろ。
さらにプロも平気で煙草吸っている。
思考が鈍るなどは自己管理ですのでどうでも良いですが、根本的にプロとしての品格がない。
煙草吸えば当然、碁盤や碁石はヤニだらけです。
自分で自分の商売道具に傷つけるって……。現実にいますけどね。
碁盤に煙草押し付けるのが碁打ちへの冒涜という描写がありましたが、程度の違いに過ぎないでしょう。
{/netabare}
ストーリーは大まかに、囲碁部編・院生編・プロ編・北斗杯編に分かれています。
面白い反面、終盤はかなり雑だったと思います。
不満点→
{netabare}
①北斗杯
蛇足ですね。原作自体が中途半端に終わったので余計に。
流れ的に3人目は伊角さんにするべきでした。
社を出すならもっと前から出しておかないと。ぽっと出を応援するのは難しいです。
年齢制限なんて弄れるでしょうに。
②重要な対局
本気での佐為vsヒカル、塔矢行洋vs塔矢アキラが実現されていません。
勝敗に関わらず、時代の継承を魅せるなら絶対必要な対局でしょう。
③佐為
扇子(小道具)の使い方は良かったと思いますが、
結局、佐為はヒカルの中に……”埋もれた”ように見えます。
佐為の神の一手を極めるという目的が途切れたのが痛い。
極めるのは無理でしょうが、前兆くらいは描写するべきだったと思います。
伊角さんとの対局後は、成長という成長が見られず、ずっと塔矢アキラの下という印象。
対局でも負けっぱなしですし。勝ったの社戦くらい?
塔矢アキラとの対局で幻の神の一手、勝利を掴んで幕引きで良かったかと。
④男女比率が悪い(ストーリーには関係ないです)
その上、女性キャラの扱いが悪い。
それなりに動いてたのって、あかりと奈瀬くらい。その奈瀬もモブキャラ昇格ですし。
単純に華がないので前述のイメージにも影響するし、
それだけで対局の雰囲気を変えられるのは大きいと思うのですが……。
この辺は、作者が女性なのが影響してるのかな?
{/netabare}
不満点ばかり並べましたが、愛情の裏返しと思って下さい。
少し長い(75話+α)ですが面白いです。おすすめです。