とろろ418 さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
原作も読んで欲しい
まず、映画の概要を。
原作(漫画)が2巻あたりの時に、作られたものです。
上手く調和しているようで、実はかなり中途半端。
少し考えてみると、整合性のない点が浮上して来ます。
(原作と照らし合わせながらの方がわかりやすいです)
説明不足により、ご都合主義みたいになっているものもあります。
それらに関しては長くなるので敢えて省きます。
キャラにもかなり手が加えられています。特にクシャナは、まるっきり別人と言って良いですね。
上記のことから、私は映画の方はあまり好きではないです。原作とは別の作品と考えた方が良いと思います。
そして原作。こちらはかなり重い作品です。
しかし、人間として読んでおくべきだ、と私は思います。
形や重さは違えど、同じようなことを現在の人類も行っていますから。他人事ではないでしょう。
そして、なぜナウシカの選択について、是非色々な視点から考えてみて欲しいです。
おそらく賛否両論になるでしょう。それで良いと思います。
これは完全な私見ですが、この作品と同じような状況下となり、
我々人類が旧人類と同じ計画を図ったとしても、その計画が成功することは決してないでしょう。
{netabare}
①旧人類の計画に従う
旧人類にとって、ナウシカたちは癌そのものです。
交渉の際に、彼らは「キミらも浄化後の世界で生きられるようにする」と言っていますが、
これが嘘なのは明々白々。
最悪見殺し、上手くことが進んでも戦争が待っているだけ。しかも像と蟻の戦い。
望む未来はありませんし、人類vs人類ですから、不確定要素が絡むこともないに等しいでしょう。
②旧人類を滅ぼす
ナウシカたちは腐海の毒なしでは生きられませんから、実質自殺行為です。
しかし、こちらは自然が相手。人類にとっては不確定要素の宝庫です。
絶望的かもしれませんが、希望はあります。
また、全ては旧人類の推測に過ぎない(科学に基いてはいますが)ですし、
彼らは実質嘘を吐いていますから、正しい情報かも疑わしいです。
普通は、計画に加担するように誘導するでしょうし。
以上のことから、
{/netabare}
ナウシカの思想はともかく、行動は当然のことでしょうね。
長期に渡る制作による思想の変化のためか、この作品には大きな矛盾がいくつかありますが、
その矛盾が人間らしさという演出だとしたら、アッパレですね。
狙いじゃないにしろ、良い味出してます。
長文となりましたが、ここまでお付き合いしてくれて、ありがとうございました。
※評価は映画のものです。原作なら4.7……かな?