じょー さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態：観終わった
世界は、私だけで完結していた
冷血なガリ勉女雫と、たまたま隣り合わせになったせいで、関わることになってしまった、常識はずれの問題児春、二人のラブストーリーを軸に展開される恋愛もの。原作既読
少し、テンポが気になりましたが、多分に合格点という感じの感想でした。絵は原作の雰囲気を非常によく伝わっており、特に、雫、夏目、大島の女性陣に関しては非常に可愛らしく描かれていました。原作を重視したストーリーも好感がもてました。
ただ、特に夏目の恋愛の所が、中途半端な所で、切れてしまったのが悔やまれます。もう少しシリーズ全体の構成を見直せば綺麗な所でおわれたのではないかと、最終回とかほとんど蛇足としか思えませんでした。そもそも、２クールにしとけば、このペースで、最も良いところで終わるはずだったのにというのが、原作組の不満でした。１話で、大事なセリフはしょって、いるので、最終話の最後に持ってきてたのですが、心理描写としてそこではないだろ？ってのが、効果あまりないな～と、決して悪くはないのですが、高木さんのシナリオ、構成はあまり好きではありません。
正直、夏目、ヤマケン、大島さんという非常に魅力的なキャラクター達の群像劇の方が、本編、主人公の恋愛より面白い本作ですが、ここらへんの所は、キッチリ描いてくれたところには好感が持てます。そして、夏目役の種崎さんの演技が特に素晴らしかったかと思います。１話で、巽さんの方がと言ってごめんなさい。正直、主人公二人より存在感があったと。
２期を期待したいと思います。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
１話「となりの吉田くん」
{netabare}
展開が非常に早いですが、これは原作そのまま、１巻の半分も終わってない状況。キスシーンで終わりますが、ぐだぐだすれ違い始めるのは、ここからです。原作どおりというか忠実に再現されていました。つかみは非常に良かったと思います。基本少女マンガの王道なので、１話みて苦手と感じた方はここでもいいかも。ただし本当に面白くなるのは、キャラ全員出そろってからなので、興味があれば。キャラデザは非常に良かったと思いますが、非常に大事なシーンで、非常に大事な心理描写が抜けていたので、主人公の気持ちの有りようが多分理解しにくくなっているかと。
春の涙、雫の抱きしめる「ハルの周りには～」のシーンで、雫の心情が表現されていますが、ここで、原作では、「なんて純粋な涙なのだろう、こんなに綺麗な涙を、私は流したことはあるだろうか」という心境が追加されています。これを入れないと、ハルを抱きしめる行動にでた、雫の心境が説明しきれないし、その後恋心を自覚する動機も弱くなっているように感じます、たった一つのセリフなんだけど、ちょっと浅い印象になってしまったんじゃないかなと
とりあえず、視聴継続。
{/netabare}
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
視聴前レビュー
{netabare}
デザート連載、短編でその名をあげた、ろびこさんによる、初の連載長編。個人的には近年の少女漫画での一番の出来と思います。内容だけを追いかけると、基本的にはガールミーツボーイなのですが、その設定の面白さ、心理の細かさとキャラクターの意外さがマッチして、作品の雰囲気を盛り上げている秀作です。人とのコミュニケーションに興味のない雫と、憧れながらも変人故に友人の出来ない春、二人の主人公。傷つけ、傷つけられながらの成長の過程が、美しく描かれます。
スタッフは、監督鏑木ひろさん、君に届けで、原作世界をそのままに表現した監督さん。シリーズ構成 高木登さんは、さんかれあ、Cなどの構成、夏目友人帳や地獄少女での脚本さん。アニメーション制作は、ブレインズ・ベース。正直言って、「好きっていいなよ」と逆じゃなくて良かった、キービジュアルが公開されましたが、雫なかなか可愛らしく書かれていました。
キャストに関しては、ドラマCDから完全に入れ替えです。
水谷雫； 戸松遥
吉田春； 鈴木達央
夏目あさ子； 種崎敦美
佐々原宗平； 逢坂良太
山口賢二； 寺島拓篤
大島千づる； 花澤香菜
吉田優山； 中村悠一
三沢満善； 樋口智透
水谷雫には、戸松さん、トゲのある女性を演じますが、結構合っているかも知れません。夏目あさ子には、種崎さん、存じ上げなかったのですが、声の幅の結構広い方と。こちらが一番予想が難しいところかな。個人的には巽さんの方がよかったかな
冷血女子と暴走美女の二人、動かし方が難しい女性キャラクターをどう動かすのか。基本的には両思いの恋愛でありながら、伝わらないもどかしさ、伝わる時の嬉しさ、恋する事により初めて得られる心の痛み、そして、不器用な雫の可愛らしさをアニメでどう描いていくのか楽しみです。
{/netabare}
