STONE さんの感想・評価
3.3
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
関心は新基軸に
原作は未読。
内容的には第1期で描かれた小野寺と高野、吉野と羽鳥、木佐と雪名の3組のカップルの
その後を描いている。一応各カップルはそれなりに結ばれたみたいで、めでたしめでたしと
いった感じ。
それにしてもいずれのカップルも公私混同甚だしく、社会人の恋愛とは思えないやり方に
結構笑ってしまった。
基本的なトーンは第1期と同じような感じで、第1期が好きな人は本作品も合いそう
だし、駄目だった人はこちらも駄目なんじゃないかと。
個人的には第1期はそれなりに楽しめた方。ただ、この作品はキャラがカップル+
1人か、2人ぐらいの関係性で終わってしまっているので、誰かの行動が多くのキャラを
動かすようなことがない。
そのため、どのカップルも割と似たようなパターンになってしまい、さすがに飽きてきた
かな。
そうなると、どうしても新しい展開に目が行ってしまう。
その一つが新しいカップルである井坂と朝比奈。これまでのカップルが受身的スタンスを
取る側を中心に描いていたのに対して、こちらの中心視点となる井坂が結構能動的
スタンスを取るキャラであったため、結構バリエーションに変化が生じて面白かった。
もう一つが小野寺と高野編に小日向杏という女性キャラが出てきたこと。よくよく
考えると女性のレギュラーキャラって初めてか。
彼女の登場によって、小野寺を間に挟んだ一種の三角関係の様相を呈するが、小日向との
関係における小野寺は性別通りの男だが、高野との関係においては、どうも高野がタチで、
小野寺がネコのようであるため、ここでの小野寺は精神的には女みたい。状況によって精神
的性別が異なっているのが面白かった。
小野寺が小日向に優しい態度を取ってしまうことに対して、高野が「中途半端に優しく
するから、相手も諦めきれないんだろう」と諭すシーンがあったが、これって高野が横澤に
対してやっていることと同じじゃんと思ってしまったのだが。
個人的にゲイの知人がいたりするが、彼らに言わせると、いわゆるBLものにおける
キャラの感情表現などは、ゲイのそれとは違うみたい。
男性が原作の漫画やアニメにおける女性キャラなども、男性から見た「女性はこうあって
欲しい」という部分が投影化されたキャラが多く、本当の女性とは異なるものであることが多いが、
この場合は受け手である視聴者や読者の男性が現実の性的対象も女性であるのに
対して、BLものは主に女性ファンに向けた虚構のゲイ世界を描いたもので、実際のゲイに
向けての作品ではないみたい。
改めてゲイものとBLものは、別ものなんだと思った次第。