ろき夫 さんの感想・評価
4.8
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
これ観ると生きづらくなるよ!
原作は未読です。それを踏まえての感想です。
これキュンキュンきましたよ~!
ツボを刺激されまくりで気持ちいいのやら、痛いのやら分からなくなりました…。
思春期のあの頃…自分の感情に素直に生きれたら、生きたらどうなるのか?
こういったことが、普通とは少し変わった性への悩みを持つ男の子「二鳥くん」を通して描かれる。
懐かしかったです。私も当時、初めての学生服に戸惑ったのを思い出しました。
中学生からですよね、性を強く意識させられるのって。
似た悩みを持つ方がこの作品を観たら、少し複雑な気持ちになるのではないのでしょうか?
ありのまま生きたいけど、なかなか生きられない。
思春期における性への葛藤はそのまま個の確立へと関わる、とても重大な問題。
その機会を逃しちゃうと自分が何者なのか判らなくなっちゃうんですよね。一人称を失っちゃうんです。
マイノリティであることへの孤独感。カミングアウトした場合のデメリット。
気持ちはラクになるかもしれないけど、それで将来どうなってしまうのか?人生終りやしないか…。
また、ラクになるのは一瞬で、余計苦しむことになるんじゃないか…さらに孤独になりやしないか…。
そういったことを考えるとホント生きづらくなると思います。
けど、「考えるよりも先に行動」派の男前な二鳥くんはそんなことお構いなしにグングン行っちゃうワケです。
あわわっwwそりゃ不味いんじゃないのー!wおおーい、どこまで行ってしまうんだよぉ…。
でも彼には理解してくれる仲間がたくさんいるんですね。
二鳥くんの他にも、男の子になりたい女の子。おとなの男性が好きな男の子。同性カップル。
など、似たような境遇に立たされている、または立たされたことのある世間的にみて非常に特殊な人種ばっかり!
それも狭いコミュニティの中で。これは、どこの二丁目ですか?wと、ツッコミたくもなりますが…。
それゆえネタには困らず、濃い内容で、いろんな人から受け入れられる良い話になるわけです。
でも、そういう特殊な環境にいるからあんなムチャできるんだ。ってなっちゃいますよね。
共感する一方で、非常にもどかしい気持ちになるかと…。
それが持ち味でもあり、欠点でもある。そう思います。
~この作品の雰囲気について~
同じ学園モノでも、キャラ付けなどの理由で声優の色が出過ぎて学生の喋り方とかけ離れていたりする作品が多いのですが、この作品の場合は抑え気味で、自然に聞こえるように配慮されている。徹底された雰囲気作りが良かったです。
(珍しく、奈々さんも歌いませんでしたねw)
その雰囲気作りで重要な役割を果たした、水彩画っぽい色彩で描かれる人物と背景。見惚れてしまうくらい綺麗で、それに優しい。
…あと画面の‘ふち’の部分がぼかされていてフワフワっとしているんです。
それが何ともいえず良い。
思春期のアンバランスな精神状態、ノスタルジックさを醸し出すと同時にどこか空想の世界のようにも見え…。
そう、願望の作りだした物語のように見えなくもないんですよね。
あの頃もし悩みを解り合える誰かが隣にいたら…、みんなと解り合えたら…、こんな自分でも女の子を好きになれたら…なんて。
ともあれ、細部にまでこだわりを感じる雰囲気作りのおかげで感情移入楽勝でしたよw
一話目の「…うん、綺麗になった」の台詞で早くも涙が…。
まるで自分の悩みであるかのように感じ、本作のキャラと同様にすごい複雑な気持ちになりました。
物語が途中で終ってることもありますが、すごく難しいテーマを扱っているだけあって考えが上手く纏まりませんね~汗
二期もあるんですかねー?彼らの物語の続きを早く観てみたいです。
う~ん、にしても書きづらい…。