りぃたん さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
疲れた心につける癒しの薬、平和の尊さ
人生に、生活に、どうしようもなく徒労を感じる日々、
そんな疲れた時ふと見ると、
心に響き、真に心が癒される名作でありました。
長い戦いのため社会は荒廃し、
人間世界が終わりに近い、田舎国境沿いの砦、
軍人少女たちの日常。
戦いに疲れた人々を優しく包み込む生活。
トラウマを抱えた隊員を暖かく見守る隊長の気持ち。
そして、こんな終わりの世界に響く、
過去から伝わるラッパの名曲の音色。
カラフィナのOP曲の表現がぴったりな、
人間の弱さ、暖かさ、愚かさ、そして強さが感じられました。
どこかで見たことのあるアニメや映画のつぎはぎのようだし、
人間社会の描き方も綺麗事過ぎて、
もったいない点もたくさんあるけれど、
その世界感とテーマは、見る人によっては
それを感じさせないほど、良い出来栄えだったかもしれません。
前半は、ただの日常を淡々と描いていて、
何を訴えたいのかわからず、めげそうになったけれど、
回を追うごとに、徐々に話がまとまっていき、
世界観が姿を現し始めると、心に染み渡っていきました。
そして、終盤に近づくに連れ、涙が浮かぶこともよくありました。
戦いに疲れたトラウマを抱えた人々が、
寄り添い、助け合い、暖かく送っていた生活に、
{netabare}案の上、過去の戦火が迫ってきて、
開戦へ急転直下するかというギャップは、
緊張感で背筋が硬直する思いでした。
そして、冒頭にあったお祭りの伝説に沿って…、
という最終回は、どこかで見たことのある話だけれど、{/netabare}
音楽とあいまって、平和を尊ぶ人間の姿は、
訴えかけられるものがあり、良い作品だと感動させられました。