どうまん さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ある種の王道
●特徴
「悪と対峙する主人公」という図式はごくありふれたものだが、この作品では特に頭脳戦に焦点を当てており、簡単な勝敗に留まらない勝負の面白さを見せてくれる。
主人公が正体を隠して戦うのはデスノートと似ているかもしれない。
従来までの「強い」主人公像とはちょっと違う、「貧弱だけど頭がいい」キャラクターが大きな「悪」に挑む姿は、なかなか見ごたえがある。
●引っかかりそうな所があるとすれば...
頭脳戦を売りにした物語ではあるものの全部が全部知略で乗り越えるというわけではなく、そこはいかにもロボット物らしく、一騎当千で相手を撃破していく描写が(敵味方の両陣営で)ぼちぼち目立った。
視聴者としては戦術レベルでの勝利、つまり戦略レベルでは明らかな劣勢を知恵を絞って覆す展開が欲しいところであるけれど、ランスロットや紅蓮を始めとした固有機体による活躍の幅が相当に大きいため戦術的不利を感じられる場面が少なく、やや大味な展開となってしまっている印象を受けた。
固有機体がバッサバッサと敵機をなぎ倒していく映像は見ていて結構気持ち良かったりしたが、芯の芯までの頭脳戦を期待した人には味気なく感じられたかもしれない。
●主人公の味
高い知能で考え抜いて戦うという割に、頻繁に冷静さを欠いてしまう主人公。
人間臭くてそれはそれでいいなと思いはしたけれど、クールな頭脳派という像にはほど遠い。
この人間味ゆえに生じたミスを含めて受け入れられないと、「なんだこいつ本当に頭いいの?」と思いかねない。
固有機体の尋常ならざる活躍然り、ある程度人によって好き嫌いが分かれる部分だと思う。
陰の主人公であるスザク君の人物像は、敢えて何も触れないでおく。
○こんな人向け
・ロボット物が好き
・敵将若本の声が聴きたい
・知略を活かして敵を倒す
・でもそこまで本格的な知的戦術は求めてない
・ノリが良くて楽しいアニメを見たい