源静香 さんの感想・評価

4.0
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態：観終わった

タイトルなし

誰にでもあっただろう初恋から青春、大人の今、までを３作の短編にまとめています。
背景はまるで写真を切り取ってきたようなきめ細かい映像で光沢があっててらてらと輝いていました。暗い場面はブルーを少し強調して、心のフィルターを通してみた世界だと感じさせようと狙っていたのでしょうか。
この繊細な背景に対し人物の作画はのっぺらっとした印象でうまくマッチしていなかったような気がしました。
電車、汽車の映像がよく使われていましたが、それはロケットとの対比で、この映画のタイトルに表されているようなゆっくり感を出したかったのでしょうか、作者の心にある、思ったように物事が進まない焦りのようなものが作品になったように感じたのはわたしだけでしようか。
１部、２部は淡い恋心の心情を映像とモノローグで丁寧に描いてあって好感をもてました。３部はわたしにとって要らない部分であったように感じました。ここまで引き付けておいて、最後によくあるドラマの安っぽい１場面、またはどなたかも書かれていましたがプロモーションビデオを見せられたような気がしました。
監督には監督なりの伝えたい思いがあったのでしょうが、商業作品であるからには、最後まで視聴者の感情を揺さぶる作品として仕上げていただきたかった。と、この作品が好きな１視聴者のたわごとを書いておきます。
センチメンタリズムあふれる作品ですので好き嫌いが分かれるのではないでしょうか。