九条 さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
道徳的建前を一刀両断する復讐劇。
主人公の煮えたぎる憎悪を平和的解決という穏便な形で処理せず、道徳的建前を一刀両断する作品。
今昔を問わず、建前という御都合主義への形骸化が後を絶たない状況下だけあってか、本音の部分を
切り込んでいく本作のスタイルは型に嵌らない新奇性があり、新たな価値基準や判断を提唱している。
しかしながら、幸せの形とは何か、自己もしくは他者とは何か、という命題も関連付けて吟味されており
必要以上に復讐を美化することなく、復讐によって得られるものは、何もないという与太話を薙ぎ払う。
それでいてシリアスとギャグの調和が保たれている故、「痛快娯楽復讐劇」として成立しているのであり
雰囲気も然ることながら秀でた非凡なセンスの数々は「カウボーイビバップ」に通ずるクールさがある。