maruo さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
沖田艦長の遺志をはき違えた作品 B
ある方とメッセのやりとりをするまで、物語の終わりの方をすっかり忘れていました。
物語の最終盤では、都市帝国の内部から出てきた超巨大戦艦によって、ヤマトは瀕死の状態に追い込まれます。
ここで出てきたのが既に亡くなっているヤマトの前艦長沖田十三の幻影。
精も根も尽きた古代に対して「まだその命があるじゃないか」(台詞はあやふやです)と促します。
そして、古代は艦の残り少なくなった乗組員を下ろし、超巨大戦艦に向けてヤマトを発進させる・・・。
私の知っている沖田艦長はこんな人ではありません。
自分の命はなげうっても、部下の命は大切にする、そんな人であるという印象が強いです。
どうしてこんな登場のさせかたをしたのかはなはだ疑問です。
ヤマトができる前、冥王星会戦で地球艦隊が壊滅的打撃を受けた時に、撤退命令に従わず特攻攻撃をかけようと主張する古代守(古代進の兄)に対し、沖田艦長は「明日のために今日の屈辱に耐えるんだ、それが男だ」と説いています。
松本零士は、本作の制作にあたって、特攻を美化するのを良しとせず、「生き残って再建の苦しみを描くべき」と主張したと言います。
そして、TV版のヤマト2では、同じ敵との戦いを題材としながら、ストーリーや結末が大きく異なるということになりました。
この作品をヤマトの最後にして欲しかったという意見もよく見かけますが、私は沖田十三の遺志に従うならば、この作品の最後はあり得ないと考えています。
沖田艦長の人柄と、そこから導き出している結論は、あくまでも個人的見解ですので、どうかご了承下さい。