異文化 さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
なんでこんなにも心を鷲掴みにされたのだろう
森見登美彦原作。当然舞台は京都。
この作品を見て強く感じたのは、すぐれた作画は綺麗な絵を描くことではなく、演出がうまい画であること、あとすぐれたキャラは、まさしく「キャラ」がいいのであって、見かけの問題じゃないということ。
ノイタミナらしい作品であり、どっぷりはまった作品。
【物語】
四畳半というパーフェクトワールドを中心に、パラレルワールドを描いたループ系ストーリー。見たことは無い人はなんのこっちゃ、と思うだろうが、そうとしか自分は表現ができない。ストーリーがあるようで、無い。無いようで、ある。そんな不思議な作品です。
一見狂気的で脈絡が無いように見えるループも、終盤にかけて想像を超えた収束を実現している。
【声優】
名前を見る限りはまーやぐらいしかわからなかったが、全員見事なほどはまっている。この人じゃないと、と思えるほど。
【キャラ】
個性がすごい。そしてキャラが多すぎないので、特徴をはやくつかめるし、深く入り込みやすい。それぞれの相対的な立ち位置も絶妙で、さまざまなパラレルワールドで見せる微妙な変化も視聴するうえでの楽しみの一つ。
【作画】
正直この作品の評価を聞かなければ最初の10秒で切ってたと思う。ただ、5分過ぎたあたりから、いかにこの独特な世界観の演出を、既存の枠でとらわれない形で表現してるかに驚いた。まさに釘づけになった。
最近の京アニみたいな「綺麗」な画には見えないが、まさに演出にかけては神がかっていると思う。
【音楽】
OPは画と非常に合っており、どこかなつかしい感じの学生生活を彷彿とさせる。全話見終わった後だと特に感慨深い。
そして特に惹かれたのがED「神様のいうとおり」。モダンな感じがしながらも、シンセベルがどこかなつかしさを感じさせる。近代的のようでもあり、レトロな感じでもある。また、派手な起伏もなく、淡々と流れる感じがこの作品の世界観に非常にマッチしている。むしろこれ以上の選曲は無いのではないか、と思えるぐらい。歌詞もすごい。1回聞いただけで虜になった数少ない曲。
と、個人的には非常に高く評価したい。万人向けではないが、あ、こういうのこそアニメだよね、と思わされた作品で、自分にとってのすぐれた作品の性質を再確認させられた作品でもあった。
機会があったらもう一周してみたい。