plum さんの感想・評価
2.0
物語 : 1.0
作画 : 3.0
声優 : 2.0
音楽 : 3.0
キャラ : 1.0
状態:観終わった
(ギャルゲー主人公の)人生と家族愛
人生と家族愛を描いた物語です。ギャルゲー・アニメの主人公、”岡崎朋也”の人生と家族愛を。
極一部の超ファンタジー要素を除けば、描いているのは現実的な日常生活ですが、リアリティは全くありません。もちろんアニメですから必ずしもリアリティは必要ありませんが、家族愛だ絆だと言うならば、それなりのリアリティは必要でしょう。ではなぜ、リアリティがないのか。多くの人が、大人になると結婚し、家族を持つでしょう。当たり前の日常を保つために、人は多くの苦労を乗り越えていきます。そして極まれに、身内が大きな病気にかかったり、亡くなることもあるかもしれません。
クラナドでは、日常を保つための、多くの大人が経験する苦労は描かれず、病気や人の死という大きな不幸だけが描かれます。視聴者を泣かせるために。だから、生活感は全くなく、下積みとなるものが何も無いから、病気や死亡が何の必然性もなく”イベント”のように起きても、何も感じるものがないし、ましてや悲しくて涙がでることなど、一度もありませんでした。
それにしても、人の死を軽く扱うアニメです。死に際しての感情が安っぽいのではなくて、作品自体が命を安く扱っているんです。空想世界や戦争物であればまだいいんですが、現実的な世界観で命の安売りは白けてしまいます。
全ては、感動させるため。泣かせるため。日常を保つための苦しさを知っている大人の多くには、この作品は子供が書いた作文にしか見えないことでしょう。
人生や家族愛って、こんなに安っぽくないと思うよ。CLANNADで描かれているのは、あくまでもギャルゲー・アニメの主人公の人生と家族愛。アニメとして楽しむ分にはいいけれど、これを現実と混同しちゃだめだ。