かしろん さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
どうせなら結末まで
ホラー映画を好み、萌えの対象はゾンビっ娘という変わった高校生の降谷千紘は夜な夜な廃屋に隠っていた。
実家の寺で見つけた古文書。そこに記されているのは死したるものを蘇らせる秘薬の生成法。これをつくって、事故で死んだ愛猫のばーぶを蘇らせようというのだ。
誰も近寄らない、誰も来るはずのないその廃屋に近づく人の気配を感じた千紘は窓から外を伺う。
そこにいたのは散華礼弥。千紘が通う学校の直ぐ側にあるお嬢様学校、散華女子学園に通う深窓の令嬢。
こんな場所に来るべくはずのない少女だった。
漫画原作。未読。
「黄昏乙女アムネジア」とともに、人では無くなったものがヒロインなアニメ。向こうは色んなことをやろうとしすぎて味がボケている感じがするが、こちらは現在のところ非常に単純で良い。
ゾンビっ娘との同居という千紘にとって至高のシチュエーションのはずなのに、現実なってみると「あれっ?」という戸惑いが良く描けている。
また、ホラー的な面をオチに持ってくることで、物語をビシッと締め次回へのヒキとして効果的に生かされている。
キャラは、お嬢様育ちで品が良く頭も良いのだが天然キャラなヒロインの礼弥、姉御肌で主人公に気があるもなかなか一歩を踏み出せない幼馴染の蘭子と、有りがちでストレートな設定ながらも、主題がゾンビとの恋物語という変化球なお陰で魅力的に仕上がっている。
作画も大崩れなく安定している。主人公の変な髪型は違和感しか無いが。
原作が終わっていないし、1クールなので中途半端な終わり方になるのは仕方がないんだが、どうせならちゃんとした結末まで描いて欲しいなぁ。
今まで思い描いた最高のシチュエーションの結末はどう考えても悲恋で終わるしか無いわけで、理想と現実の間で、主人公がどう動き、どう受け止め、どう乗り越えていくのか。
ここをちゃんと描けたらかなり面白い話になりそうなのに。