plum さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
ドタバタに隠れがちな歩鳥の優しさこそがメイン
■2012.4記載(原作未読)
2010年秋アニメ。当時アニメは見ておらず、あにこれでもランキングに出てくることがなかったのですが、最近他の方のレビューで興味が沸いたので、見てみました。
こりゃ面白い。
主人公の歩鳥を中心とした、丸子商店街の面々によるコメディ。歩鳥の声は始めこそ浮いているように感じますが、2話の時点で違和感は無くなり、この声優さんでよかったと思えてきます。浮いてるなぁと思った方も、ちょっとだけ我慢してみてください。
この作品は、対象年齢としては少し高めを狙っている気がします。日常の中でのコメディなのですが、原作のストーリー構成がいいのか、非常に完成度が高いです。大笑いしてしまったり、クスッと笑ってしまったり、ノスタルジーを感じたり、しんみりしたり・・・。歩鳥のドタバタぶりが面白いだけでなく、弟のタケルや、紺先輩、タッツンとのやりとりが楽しくて仕方ありません。
全12話どれも面白いと思いますが、あえて挙げると、真田とのバスの話が好きです。バスの中での真田の心情や行動が可笑しくて可笑しくて。バスを降りてからのシーンでは、知らない町に来た感じがすごく出てて、こちらもわくわくしてしまいます。
制作会社がシャフトであり、やはりシャフトらしい演出が随所に見られます。シャフトの演出自体は嫌いではありませんが、この作品にはあまり合っていないなと感じました。話の切り替わりで多用していたジョセフィーヌも不要です。ただ、前述の真田の話や、原作から少し変えているらしい最終回は、すごく良かった思います。
あにこれでのランキングが表しているように、BDは全然売れなかったようですね。1巻あたり2,000枚も売れてないようで。OP/EDを含めてすごくいいアニメだと思うのですが、BDが売れないと2期が厳しそうです。それに、紺先輩の声優さん、既に引退しちゃっています。声も歌も好きだったのに残念です。それでも原作が売れれば望みもあるので、原作買ってこようかな。
■2012.12(原作を読んでの追記)
基本的にアニメと漫画は別物と考えていますが、この作品については、原作はアニメの遥か上を行く面白さでした。原作を読んだうえで、改めてアニメを見てみると、アニメはコメディ要素が強い描き方をしていると感じます。歩鳥のドタバタは、楽しむ要素のひとつでしかありません。原作の良さは石黒正数氏のストーリー構成の上手さと、歩鳥の丸子商店街への素朴な思いにあります。この空気感をアニメで表すのは難しいかもしれません。でも、もし2期があるのであれば、アクの強いシャフト以外の会社が作った”それ町”を見てみたいものです。まだまだステキな話がたくさんありますからね!