あいすまん.第一形態 さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
パンドラの箱。
活発な少年がある運命を背負った少女を独裁者から守るお話。
軸は明らかにラピュタや未来少年コナンと似ていますが、ひたすら戦争の生臭い部分だけを描き続ます、まさに反ジブリの冒険鬱劇という感じでしょうか。
このサイトで軽く傾向を探り、鬱展開は望む所だと思い挑みました。が、3話で早くもポッキリ心を折られ一時断念。
感情の捌け口を主人公シュウの活躍に託したけれど、それもひたすら裏切られました。
一向に決断も成長もせずに喚き続ける主人公も、
一貫して愚かに描かれる大人たちも、
悲惨な境遇に生きる子供たちも、全ては戦争の愚かさ、悲惨さについて考えさせるための演出なのでしょうが、あまりに救いが無さ過ぎます。
徹底して救いの無い世界から何を学ぶかは視聴者次第という所でしょう。
他に類を見ない作品、強烈な作品なのは間違いありません。
個人的には2つほど不満なことがあって、
{netabare}
まず終始子供の視点から描かれていて、大人は一貫して馬鹿な敵、悪者だということ。
それ自体は構わないのだけれど、少々行き過ぎいていて逆に安っぽい茶番劇のように見えます。
それとレイプの描写。 少女をレイプさせるだけで扱いは簡単だし、戦争の暗黒面を描くのには非常に強力な武器だと思う。だけどこの手段を使う以上、徹底的にご都合主義を排除して欲しかったです。飛び道具に頼っていて物語が追いついていない様に見えました。
{/netabare}
「徹底的に救いのない世界を描く」という目的だけが先行したある意味最悪の物語ですが、アニメ通を自称するうえで開けておいて損はないと思います。