raharu さんの感想・評価
4.4
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
【名作】見直した!NHKが贈る不朽の名作!
以下非常に長くなるので総評を先に。。
とても良かった!
最初に見たのは6年前、あれから社会の荒波にもまれ、
結婚もした現在に見るとまた違う視点、感想を得られる作品。
こういう作品こそ後世に残していくべきでしょう!
ユーリの回はいつ見ても泣いてしまう;;
会社、国、病気、夢、エゴ、家族、全てが詰まった不朽の名作、
まだ見ていない人には是非ご覧いただきたい作品です!
-----以下駄文
{netabare}
■国、国際基準について
宇宙で働くキャラクターには色々な国の人間が働いていて、
同じ国際基準で動いている様です。
作中に発展途上国で宇宙服を作った人がでてきて、
国際基準をクリアしたというお話がありましたが、
実地テストなど、リアルに表現できていたと思います。
この話ではエルタニカと呼ばれる架空の国で描かれていましたが、
テスト中に戦争が起きて強制帰国されてしまうときに地球を見ていった言葉。
「どうして・・・・どうしてなんでしょう!?
ここからは国境線なんて見えないのに・・・・・
ただ・・・・地球があるだけなのに・・・・」
これは衝撃的な台詞でした!
宇宙から見れば国も国境も関係ない、ただ、地球があるだけなのに…と、
現在日本も近隣の国と国土問題で争っていますが、一度全ての
政治家にこの作品見せたらいいんです、争わずに共同する道を
模索する事はできないのでしょうか。。
■夢、エゴについて
13話を超えた当たりから木星計画編に入るのですが、
ここらへんから夢やエゴに対するメッセージが強まってきます。
特にフォン・ブラウン号がのタンデムミラーエンジンが月施設で爆発したとき、
開発責任者である(ロックスミス)が記者会見で言った台詞、
「爆発した二号エンジンの残したデータの内容には満足してい
ます。次は失敗しません。ご期待下さい」
これ!鳥肌がたちましたね!
この事故で300人近い技術者が死んでいるのですが、
これを第一声に言えるというのは完全に頭が逝ってます。
しかし、自分もPC系のエンジニアをしていますが、
やっぱ何かでかい事を成し遂げる人間は頭が逝ってる人が多いです。
夢とエゴ、常にこれは一種の運命共同体なのかも知れません、
他人からエゴイストと罵られても夢に向かって突き進める人間が天才と呼ばれるのかも知れません。
■発展途上国について
これは強烈に作中で批判していますね、
地球に存在する石油資源、月に存在する資源のヘリウム3などは一部の先進国が
独占している状態で発展途上国には行き渡らない。
これは今現在でも起こっている状態です、
作中では
「去年1年間で餓死で死んだ数は50万人、貧困やワクチンが足りずに死んだ子供が200万人」
と言っておりましたが、宇宙開発をしてもここら辺は変わってないという事なんでしょうか。
この部分には子供を作る年齢になった今深く考えさせられます。
■病気、生体について
作中にいくつか病気になるキャラクターが出てきますが、
どれも宇宙空間に長くいる(又は無酸素)状態で起こり安い物が描かれています。
例えば白血病、ガンなど、宇宙空間に長く入ればいつもは大気圏が
守ってくれている、紫外線、x線、ガンマ線などの宇宙放射線を地上よりも多く浴びる事になるので、こういう病気になりやすいということでしょう。
先生が癌は職業病の様な物だと言ってましたがなるほど、ここら辺もしっかり描かれています。
また月で生まれて、月で育ったノノは重力1/6の環境で育ったので
身長が高いや、宇宙に長くいると筋力が下がるや、
無酸素の所に神経がやられてしまうなどなど、クオリティー高いですねー流石です。
■演出について
この作品のすばらしい所は矛盾点が少ない所ですね、
とくに感じたのは「無重力」と「真空」は全く別物。
という事を改めて感じました、
宇宙空間はもちろんほぼ真空で無重力何ですが、
宇宙空間で音が聞こえないのは空気振動がないからで無重力だからではないんですね。なるほど、
プラネテスもそこをしっかり守っていて、
例えば宇宙でアームがジョインする所とかは無音なんですが、
次のシーンでは船内に戻って振動と音がするという現実に乗っ取った演出になっています。
こういう細かい演出がしっかり宇宙というテーマを無理なく表現できている!素晴らしい。
{/netabare}