退会済のユーザー さんの感想・評価
4.5
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
ポケットに収まるほどの小さな戦争が少年に与えたものとは?
ガンダムが大好きだった。カッコイイ戦闘シーンに痺れていた。そんな心理状態だったからかも知れない、この作品が大人となった今振り返っても思い出せるほど心に響いたのは、、。
本家ガンダムとは対照的に、この作品の舞台は非常に狭く、それこそ街一つといっても過言ではない。しかし、その箱庭のような小さな舞台が非常に効果的にストーリーに練りこまれています。
隣近所同士の暖かい付き合いのなかで昔から可愛がられていた主人公の少年アルは、銃弾などの兵器に憧れる、活発な少年。男性であれば、この様な憧れは少なからず持っているのではないでしょうか?
そんな、平和でどこにでもある暖かい街に、軍隊による小さな作戦が実行される。
少しずつ巻き込まれていくアルと彼を見守る暖かい大人たち、そして、徐々に明らかにされていく悲しい人間関係。
大きな戦争の最中に、辺境の地で起こった小さな戦争が奪っていく大切な人と人との繋がり。
等身大の世界観から描写される戦争の本当の姿、当時の私はそこに、強烈なリアリティーを感じずにはいられませんでした。何回も何回も見直しては、涙を流していたのを覚えています。
本家ガンダムのような派手な戦闘シーンは無いですが、地に足のついたストーリー展開から描かれる人間ドラマとアルの心境の変化を見事に描いた名作だと思います。